ユーザー分析してMAU 1,800万人に成長。「HiNative」が語る9,300万円を出稿してわかった「YouTubeマーケ」のポイントと、アプリ収益性を3倍に伸ばした裏側
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ユーザー分析してMAU 1,800万人に成長。「HiNative」が語る9,300万円を出稿してわかった「YouTubeマーケ」のポイントと、アプリ収益性を3倍に伸ばした裏側

アプリマーケティング研究所

語学コミュニティアプリの「HiNative」を取材しました。

株式会社Lang-8 代表取締役 CEO 喜洋洋さん、関汐里さん

HiNative(ハイネイティブ)について教えてください。

喜:
HiNativeは、海外のネイティブスピーカーに直接質問することができる外国語学習アプリです。MAUとしては世界1,800万人に到達しています。

ユーザー数は680万人。海外ユーザー比率は96%です。累計での投稿数は、質問数が1,900万件、回答数が5,400万件を超えています。

YouTubeマーケティングのコツ

関:
YouTubeマーケティングには力を入れてきました。2016年頃から現在までに累計で約9,300万円を出稿していて、950本ほどの動画を出しています。

一時期は積極的に実施して、そこから少し中断していたのですが、ユーザーインタビューをすると、想像以上に影響があるとわかって再開しました。「YouTubeのこのチャンネルで知った」という人がすごく多かったんです。

また市場リサーチの結果、HiNativeの認知度は7.9%ほどで、認知度アップが重要だとわかったことも、再開を後押ししました。

「YouTubeマーケ」はどのように進めていますか?

関:
例えば、ユーザーさんに「よくみる語学系YouTuber」を聞いて、名前の挙がったYouTuberさんに依頼していった結果、とても良い成果がでました。

実際に、ユーザーに支持されているYouTuberさんの紹介動画は、数値としても良い傾向がでていて、ダウンロード率も課金率も高かったですね。

理由としては、HiNativeには「熱心な学習者」が多いので、語学学習に対して「熱量の高い人」が集まるチャンネルを、うまく探し出せたからかなと。

旅行系やエンタメ系のライトなチャンネルより、語学学習に寄ったチャンネルのほうが、「熱心な学習者」の比率が高いのだと思います。

「効果の高い動画」の共通点があれば教えてください。

関:
動画が公開された直後の「コメント欄」を見るとわかります。コメント欄の方向性には視聴者の「語学学習への熱量」があらわれるんですよ。

効果があまり良くないパターンだと、例えば「今日も○○ちゃん可愛い!」のように、テーマとは関係のないコメントが多くなりがちです。

逆に「このアプリ便利そう」「わたしもつかってます」といった、語学学習のほうを向いたコメントの多い動画は、効果が高くなります。

私たちも、YouTuberさんの動画が公開されて、成果をデータで確認できるのは翌日以降なので、公開後にドキドキしながらコメント欄を読むんです。

すると、コメントでわかってくるんですよ。コメント欄はこうだから反響も良さそうだねとか。実際にその通りになることも多いですね。

YouTubeマーケティングで「効果を高めるポイント」がほかにあれば教えてください。

喜:
動画のタイトルは、プロモーションだとわからないような「釣りタイトル」で再生数を伸ばそうとするよりも、これは「アプリのPR動画なんだ」とわかるタイトルにするほうが、CVR(アプリDL率)が明らかに高かったです。

例えば「英語が上達する方法」(○○する方法)とかはダメなんですよね。「上達する方法」というタイトルで見にいって、実際はアプリの紹介動画だったら、ガッカリして離脱してしまうのだと思います。

タイトルと動画内容の「期待値」を揃えること、動画を視聴する動機と視聴体験を揃えることは、とても大事だなと感じました。

N1分析で「長めの動画」の反響が良かった理由も掴むことができた。

最近の「HiNative」はどのように成長していますか?

喜:
HiNativeは、MAU 1,000万人まで成長したものの、行き詰まってきた部分もあって、「これ以上どうしたら伸ばせるか」というのが課題でした。

そこで実施したのが、ユーザーインタビューによるN1分析(1人のユーザーから分析する)でした。累計で約150人のユーザーに話を聞きましたね。(2020年〜2022年6月)

手法としては、西口一希さんの著書「顧客起点マーケティング」を参考に、ロイヤルユーザーと一般ユーザーを、積極と消極に分類しました。

そして、1人のユーザーに話を聞いて、施策に落とし込む。これをくり返した結果、2年で1ユーザーの収益性(LTV)が約3倍に改善されました。

改善施策① サブスクの「訴求軸」をN1分析から発見

関:
ユーザーインタビューをしていると、Q&A機能で質問を投稿したときに、「同じ回答」が複数くるとすごく安心する、という声がありました。

なぜ「複数の回答」で安心するかというと、質問に対して「複数の同じ回答」がつくことは、「正しい回答」であろうことの証明だからです。

そこで、プレミアム(サブスク)の登録ページに、プレミアムに登録すると「優先表示チケットで複数の回答がもらいやすくなる」という訴求を追加したところ、サブスクの登録率(CVR)がうまく改善されました。

改善施策② 「都度課金」を入れたらアプリ収益改善

喜:
課金モデルは、もともと「サブスクのみ」だったのですが、機能ごとに都度課金もできるようにしたところ、収益が大きく改善しました。

サブスクの数値はそのまま変わらずに、都度課金のニーズも取り込むことができたので、総合的にメリットが大きかった施策です。

改善施策③ :「信頼度検索」でサブスク登録率アップ

喜:
HiNative内の検索結果に「信頼度順」というタブをつくって、プレミアムの機能として提供したところ、サブスクの登録率が改善しました。

ユーザーインタビューで「HiNativeは信頼できる回答がつくのが良いです」という方がいらっしゃって、その便益を機能にしたものです。

N1分析によりDMをつけないことが「コミュニティの質の高さ」につながることもわかったそう。他コミュニティアプリでは「DMの無関係なメッセージ」で離脱している人が多かったため。

HiNativeで「好調な機能」があれば教えてください。

喜:
ライブ配信はうまくいっています。売上も課金ユーザー数も、半年前と比べると何倍にも伸びていて、ユーザー体験も良いものを提供できています。

言語学習アプリのライブ配信の強みは「雑談しながら学べること」ですね。ライバーが母語で話す場合なら、ネイティブスピーカーの表現が聞けます。コメントすればアウトプットの練習にもなります。

勉強中の英語で、おそるおそるコメントをしたらライバーから反応がきた。それは「自分の英語が通じた!」という成功体験にもなり、ユーザーの学習モチベーションが「内部」から生まれるきっかけになるんです。

2021年4月から「ライブ配信」の機能をスタートした。

Q&Aだとモチベーションが「外部依存」なんですよ。例えば、留学中の疑問を解決するなどは良いですが、モチベーションは生まれにくい。ライブ配信で対話しようとすると、疑問や足りない点に気づけます。

ライブ配信があることで、アプリ内で学習モチベーションが生まれて、Q&Aの質問が増えていくという、相乗効果も生まれていますね。

SNSで「テキスト→画像→動画」という流れが起きたように、語学学習でもライブ配信で学習する時代が、くるのではないかと考えています。

また「ライブ配信 × ギフティング」は収益が立ちやすく、サブスクよりもマネタイズの手応えがあるため、今後の可能性も感じています。

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【取材協力】
株式会社Lang-8:https://lang-8.jp/
HiNative:https://ja.hinative.com/
CEOの喜洋洋さん:@yang8

【告知】Lang-8さんでは採用も強化中。PM、エンジニア、マーケインターンなど募集しているそうです。ご興味のある方は下記のサイトよりどうぞ。

※ 以降は、マニアックな事例を5つほどnote購読者向けにまとめています。サブスクの「トライアルCVR」が3倍になった施策、1ライバーあたり課金額が5倍に伸びたイベント設計の工夫、などご興味あればご覧ください。

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