SNSで考察を語れる×友達の恋を見届ける感覚。AbemaTVの恋愛リアリティ「オオカミちゃんには騙されない」が盛り上がる理由
AbemaTVの「オオカミちゃんには騙されない」という、恋愛リアリティ番組(シリーズ6作目)が若い人たちに人気になっています。
数値でいうと、初回放送の「見逃し視聴」も含めた24時間の視聴数は130万という、シリーズ1位の視聴数を記録していたり、
最近の、AbemaTVの番組ランキングの上位もほぼ独占しているほど。
公式サイトには「恋愛リアリティ」の一覧表があったり、Abemaビデオには「恋リア」のタブまで出来ていて、この「恋愛リアリティ」というのが一つのカテゴリとして成立していることがよくわかります。
今回はこの「オオカミちゃんには騙されない」をもとに、人気の理由を考えてみました。番組にはまっている視聴者の意見を聞きつつ、最新話まで自分の目でも見てまとめたものです。あくまで一意見としてどうぞ。
目次:
1、「恋愛×推理もの」で議論が発生しやすい
2、心の距離が近い「友達の恋愛」を見届ける感覚
3、視聴者を「色分け」して盛り上げている
4、インスタのストーリーに投稿してもらう工夫
5、番組コンテンツをSNSで広げる仕組み
6、共同作業でつくるカフェ・コラボ型スポンサー
7、番組中の「デートシーン」が魅力的である理由
1、「恋愛×推理もの」で議論が発生しやすい
この「オオカミちゃん」という恋愛リアリティ番組は、誰が本当の恋をしてるのか、誰がウソの恋をしてるのか、考察しながら見ることになります。
なぜかというと、出演者のなかに「オオカミちゃん」という、嘘つきの女の子が"1人以上"は混じっている、というルールがあるからです。
つまり、恋愛リアリティだけど「犯人がいる」という構図になっていて、一種の謎解きが含まれることで、みんなが議論をする余白が発生します。
本当に恋をしてる女の子と、嘘の演技で恋をしてる女の子が混ざることで、これがコンテンツのスパイスになっています。
そうなると、SNSやリアルで「誰がオオカミなのか?」「○○ちゃんの行動は怪しい」という考察が繰り広げられて、話題が拡散されます。
また、嘘つきである「オオカミちゃん」は、"1人以上含まれる"というルールになっているため、考察パターン数も多くなっています。
たとえば、ツイッターでは「オオカミちゃん」を含むツイート数は、毎日数百件は(放送日は3,000〜5,000件)つぶやかれています。
AbemaTVの「リアルタイム放送」のコメント数をみると、先日放送された10話(全12話)では、45分間の放送で「80万視聴で9,600コメント」ついていました。1分あたり213コメントなので、流れる速度もかなりはやいです。
2、心の距離が近い「友達の恋愛」を見届ける感覚
「オオカミちゃん」の出演者たちは、SNSで人気のモデルやアーティストなど、芸能人よりもインフルエンサーに近い人たちです。
つまり、SNSから入ってくるファンにとっては「よく知ってるあの人の恋」を恋愛リアリティ番組でみる、という体験になります。
そうなると、まるで友達が番組に出ているような「友達の恋を見守る感覚」になり、他人ゴトではなく「自分ゴト」に感じてしまうのだと言います。
だからこそ、没頭したり共感しやすいし、悲しんでいたら悲しいし、幸せになってくれたら嬉しいし、感情が増幅される装置になっていると。
また、出演者はSNSに「番組のオフショット写真」ものせるため、SNSという「自分の日常」に混ざることで、視聴者はリアリティを感じやすい。
毎週毎週、進んでいく番組の恋愛展開と、日々更新される出演者のSNSから垣間見える心情なども含めて、ひとつのコンテンツになっている。
ある視聴者も「知らないアイドルやモデルが出るよりも、SNSで知ってる人が出るほうが共感できてダンゼン面白い」と話していました。
3、視聴者を「色分け」して盛り上げている
「オオカミちゃん」では、ゆるく「色分け」するような感じで、視聴者をチーム分けすることで、番組を盛り上げていると感じました。
たとえば、出演者それぞれに「絵文字」を当ててコメントしやすくしたり、WEBで「推しペア選手権」を開催したり。
いろんな角度から「○○派」をつくることで、コメントやSNSやリアルのコミュニケーションを、盛り上げているのだと感じました。
軸としては「○○ちゃん推し」「○○くん推し」のような人軸、「○○×○○推し」のようなカップル軸、「○○ちゃんオオカミ説」のような考察軸と、大まかに3つくらいの「色分け」の種類があるように思います。
ここから先は
月刊アプリマーケティング
プロダクト運営について学べるマガジンです。アプリやプロダクトの売上やユーザー数を伸ばしたい人にオススメです。月に7記事ほどお届けします。