スタート半年で「月間で数千万円」のトレカが売買される「ミニッツ」立ち上げの裏側。ユーザーの熱狂を生む「ライブコマース」の成立条件が「オークション型」だった理由
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スタート半年で「月間で数千万円」のトレカが売買される「ミニッツ」立ち上げの裏側。ユーザーの熱狂を生む「ライブコマース」の成立条件が「オークション型」だった理由

アプリマーケティング研究所

トレカのライブコマースアプリ「ミニッツ」さんを取材しました。

株式会社ミニッツ 代表取締役社長 山本 圭樹さん

「ミニッツ」について教えてください。

山本:
トレカのライブコマースアプリです。みんなで話しながらパックの開封配信を楽しめたり、配信でトレカを「オークション形式」で売買できます。

2021年6月からベータ版を開始して、2021年12月に正式リリースしました。サービス内のGMV(流通総額)は「月間で数千万円」になっています。

1会員あたりの購入額(ARPU)は数万円。購入者の翌月の購入率が45%と、何度も購入してくれている方が多いですね。

販売者(配信者)には、カード好きなサラリーマンの方もいれば、カードショップの店長さんもいます。

トレカの二次流通に注目したのは、① 知人のトレカ販売者の「売れ行き」に感心した、②フリマアプリの「フリル」で働いていたときに「問い合わせの多さ」を体感したから。

サービスを公開したときには、まず「どのようなこと」をやりましたか?

山本:
2021年の6月に、WEB版(ベータ版)をリリースして、検証を進めました。

まず、マーケットプレイスというのは、集客したユーザーが逆側のエンドユーザーを、一緒に連れてきてくれるというのが、重要なポイントなんです。

これは「買い手→売り手」でも「売り手→買い手」でもいいのですが、片方を連れてくるともう片方も集まる、この構造が大事なんですね。

そこで僕らが公開前にやったのは、ツイキャスなどの配信アプリにおいて、トレカを販売している配信者に「ミニッツをつかってくれませんか?」と、声をかけていくことでした。

もともと、ツイキャスでトレカを販売して、PayPayでお金を払ってもらう。このように販売している方がわりといたんですよ。

なので、そのような方に声をかける。すると、売り手の配信者は「買い手」を連れてきてくれる。そうやって「初期のユーザー」を集めました。

でも、どうして配信者は「新しいサービス」にわざわざ来てくれたんでしょうか?

山本:
これは「既存の課題」が解決しやすい場所を、つくれたからだと思います。

既存の販売方法には、やっぱり「課題」があったんですよね。具体的には「決済が即時で行われない」というのが大きくて。

どういうことかというと「配信と支払い」で分かれていると、配信では「買います」と言っておいて、後で「やっぱり払いません」ができてしまう。

あとは、販売者としては信頼も貯まりにくいし、1回不正を働いたユーザーもアカウントを変えれば復活できる、そういう問題もありました。

なので、ミニッツでは「販売者の審査」をきちんと行い、不正のパトロールも徹底する、決済も「クレカ決済に絞る」など、もともとあった課題を解決できる仕組みを入れていきました。

そこから仮説検証していく中で「ターニングポイント」になった瞬間などがあれば教えてください。

山本:
僕らが「PMFした」と感じたのは、フリマ型から「オークション型」に切り替えた瞬間で、わかりやすく「これはいける」という感覚がありました。

実際に、オークション制にしたことで「コメントの量」がめちゃめちゃ増えたんですよ。継続率や購入単価にも影響していると思います。

小さな改善を重ねて「PMFした」というよりは、ユーザーペインのど真ん中を捉えてさえいれば、プロダクトが荒っぽくても、みんなが熱狂してくれるのだなというのを感じました。

山本:
実はオークション制は、はじめは販売者から「反対意見」もありましたが、100円からオークションで出してほしい、もし赤字が出たら僕らが補填しますからと、とにかくお願いしました。

オークション制をスタートしてみると、設計をきちんとすれば、ユーザーは満足しつつも、販売者の利益も出やすいことがわかりました。

オークション型の「誰もにチャンスがある。買わない人も楽しめる」ここのポイントがめっちゃ重要で、これがライブ配信の魅力を高めました。

オークション型のほうが「利益が出やすい」のはなぜなのでしょうか?

山本:
売り手にとって「妥当な価格設定」が難しいからです。トレカは状態によって価値が変動するものなので、「いくらで売れるのか」を予測するハードルが高いんですね。

もし「この10パックを1口3,000円で売ります」というときに、もし3,000円という価格が高かったら、売れにくくて配信も進みません。

それで「売れないので値下げしますね」となると熱も冷めてしまいますが、オークション形式なら、ひとつずつ確実に売ることができます。

そのような仮説検証を終えて、2021年12月にアプリを正式公開したのですね。今はどのようにユーザーが増えていますか?

山本:
ユーザーが「購入報告ツイート」をしてくれて、そこから増えるパターンが多いですね。「ミニッツで○○さんから買いました」みたいな感じです。

購入者としては「どの売り手が信頼できるのか」をSNSで周りに共有したい心理も働くので、こうした口コミが多いのかもしれません。

もし次にサービスをつくるとしても「ここは絶対に抑えよう」と思うポイントがあれば教えてください。

山本:
プロダクトを実際につくってきて、①「代替する方法」が存在しているか、② そこに「熱量」が本当にあるのか、この2つは本当に見たほうがいいなと実感しました。

ミニッツでいうと、ツイキャスとPayPayなどを組み合わせて、配信でトレカを売買する方法が、まず代替手段として成立していたこと。

こうした「代替案の特定」というのは比較的簡単です。

そして重要なのは「熱量」で、ここは見逃しがちなポイントだと思います。僕もここはたくさんのミスをしてきました。

僕らがこの熱量が「本物だ」と信じられたのは、既存の方法には「未払いトラブル」が発生する可能性もあって、配信アプリには売買の機能がないにもかかわらず、何度も売買が行われていたことです。

そういう状況であっても売れていて「うわ、こんなので売れちゃうんだ…!!」となる感覚も、僕は「ひとつの熱量」だと思っていて。

たくさんの人が「おもしろい」と叫ぶだけが熱量じゃない。少人数でもこんなに非合理な方法にお金をつかう。非合理の深さこそが熱量なのかなと。

山本:
なので、逆にいうならそこが「妄想」であるなら、事業をやらないほうがいいのかなと。僕もそこに躓いて何度もサービスを撤退してきました

例えば、ライザップさんって、LINEで「体重管理」をするんですね。食事したら報告とかを送る。僕はそれを切り出して「サービス化」できると判断し、プロダクトを開発したことがあって。

でもココナラなどで「スポットで3,000円」なら払う人はいたのですけど、熱量を持って「お金を払い続ける人」は少なかったんですね。

なぜ、ライザップだと成立するかというと、はじめに「何十万円という身銭を切る」から。大金を払って痩せないって最悪じゃないですか。

周りに宣言してプレッシャーがかかる。やらざるを得ない環境ができる。だからこそ、LINEでも体重をきちんと報告する。

なので、LINEの「体重管理だけ」を切り出して、安くしても成立しなかったんです。代替手段と熱量の「両方をみること」が大事でした。

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【取材協力】
株式会社ミニッツ:https://docs.minute-s.jp/
ミニッツ:https://minute-s.jp/
CEO 山本さん:@keikidesu11

【告知】ミニッツさんでは採用も募集中。採用広報、BizDev、エンジニアなど募集しているそう。トレカのライブコマースに可能性を感じた方は、下記のサイトよりどうぞ。

※ 以降は、マニアックな事例を5つほどnote 購読者向けにまとめています。WEBからはじめて「検証コスト」どれだけ削減できた?、コミュニティ熱量を高める工夫、見ているKPIは?、などご興味あればご覧ください。

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