サービス名を「カタカナ表記」主体にしたら指名検索と口コミ数が成長。累計100万人が注文した「レンティオ」が語るユーザーコミュニケーション施策。
家電のサブスク・レンタルサービスの「レンティオ」さんを取材しました。
なぜサービス名表記の「カタカナとアルファベット問題」に取り組んだのでしょうか?
高橋:
当初は、何も考えずに「Rentio」と表記することも多かったため、お客様もアルファベットの「Rentio」で認識や入力をされていたと思います。
すると、一発で覚えにくかったり、指名検索で入力しづらかったり、口コミ投稿でタイプミスが起こっていたり、という問題が発生していました。
レンティオが普及して「当たり前のサービス」になることを考えたときに、ここは障壁になってくるのではという実感がありました。
三輪:
様々なサービスの検索回数を、カタカナとアルファベットで調べてみると、カタカナのほうで多く検索されているケースも多かったんですね。
例えば、Yahoo!ですら「ヤフー」とカタカナで検索する人が多くて。英語のスペルがわかりにくいと「カタカナ」が好かれる傾向もあるなと。
あくまで仮説ですが、アルファベットで「一定の文字数」を超えてくると、日本のユーザーは英語のロゴを認識しにくくなるのではないかと。
6文字の造語である「Rentio」も同じ問題を抱えていて、ロゴ以外は「カタカナ表記」にしたほうが良いのでは、という意思決定をしました。
また「文字数」という要素のほかにも、「人によって読み方がブレないか(誰でも読めるか)」といった要素もあると思いました。
単語の組み合わせもあると思います。PayPayは「PayとPay」の組み合わせ、iPhoneは「iとPhone」の組み合わせ。これだと認識しやすいですよね。
ちなみに、社名についても早い段階で、株式会社カンパニーからレンティオ株式会社に変更していて、早めに変えてよかったと感じています。
とくにスタートアップで「このサービスしかない!」という状況であれば、社名とサービス名は統一したほうが認知されやすいのかなと。
カタカナ表記の「レンティオ」を普及するために、どのような取り組みを行ったかを教えてもらえますか?
高橋:
まず、カタカナの「レンティオ」よりも、アルファベットの「Rentio」のほうが多く露出していたので、これをカタカナに寄せていきました。
例えば、ロゴも「カタカナありとなし」を使い分けるようにしていて、印刷するチラシやイベントでの配布物には、「カタカナあり」のロゴを使用しています。
これは表示面積に余裕があったり、初めてレンティオを知る方が多いようなケースでは、「カタカナあり」のロゴを使うというイメージです。
逆に、Webサイトやアプリなどでは、表示面積にも制限があるので「カタカナなし」のロゴを使うようにしていますね。
メディア向けのプレスキットのページでも「できればカタカナの表記を優先してください」のように記載して、強制ではないものの「カタカナ表記」を推奨するようにしています。
記事にしていただくときに「Rentio(レンティオ)」とカタカナを併記いただける場合には、読者の方が読めないことを避けるために、1箇所だけカタカナを併記していただくこともあります。
また、サイト内や外部に送るテキストも「カタカナ表記」に統一していって、原則カタカナファーストに変えていきました。
こうした地道な取り組みを続けていくと、明らかに「カタカナ表記」の指名検索数が伸びていきました。
全体の指名検索の増加には、様々な要因がありますが、アルファベット表記よりも「カタカナ表記」のほうが大きく伸びていますね。
無意識的にアルファベットで表記している社員も多かったので、社内の認識を揃えていくのにも、半年くらいはかかったかなと思います。
地道な取り組みを続けると、社内のコミュニケーションにも「カタカナ表記」が浸透していきましたね。
社内Slackの言及数も、2020年と2023年で比較すると、「レンティオ」は約2倍に増加していて、「Rentio」は約20%減少しています。
サービス名の「カタカナ表記」が浸透したことで、実際にどんなメリットがありましたか?
高橋:
まず、カタカナ表記が浸透したことで「有効な口コミ数」が増えたことを実感しています。サービス名が思い出せないと口コミしても伝えられません。
例えば、今までは「あの家電レンタルサービスが」と言われていたものが、「レンティオが」と表現してもらえる可能性も上がりますよね。
SNSでの口コミ投稿数(UGC)も増えた実感があります。恐らく「カタカナ表記」が浸透したことで、言及していただきやすくなったのかなと。
現実的に「読み方がわかる」というのは、口コミされる上でもすごく大事なことだなと改めて感じました。
ほかには、カタカナ表記が浸透したことで、SNS検索やハッシュタグからの「口コミへのアクセス経路」が整備されたようにも感じています。
例えば、インスタでも「#Rentio」を以前は使っていたのですが、海外にも同名のサービスがあって、関係ない情報も表示されてしまっていました。
これも「#レンティオ」を優先的につかうことで、徐々に口コミや投稿などがひとつのハッシュタグに集約されるようになりました。
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【取材協力】
レンティオ株式会社:https://www.rentio.co.jp/
レンティオ:https://www.rentio.jp/
レンティオ株式会社 三輪謙二朗さん、高橋 瑞生さん、広報の本間さん
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