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年商40億円の越境EC型サブスクボックス企業「ICHIGO」の成長の裏側、桜味のコーラがサブスク会員数を40%伸ばした理由。

サブスクボックスの「ICHIGO」さんを取材しました。

株式会社ICHIGO 代表取締役CEO 近本あゆみさん

ICHIGO社について教えてください。

近本:
日本から世界に、越境EC型の「サブスクボックス」を提供しています。日本のお菓子を届ける「Tokyo Treat」や、日本の和菓子を届ける「Sakuraco」といったサービスを運営しています。

2015年に創業して、年商としては40億円。累計での発送数としては、お菓子3,000万個、箱数230万個に到達しています。

本当に「気付いたらこうなっていたな」という感覚で、あまり手応えとかは私は感じたことがないかもしれないですね。

事業を着想したきっかけは、リクルートで働いていたときに、ECの事業で「商圏を超えて売れていく様子」を見て、それが面白いなと感じたこと。

また銀座などで外国人の方が「爆買い」しているのを見て、海外の方向けに日本のものを売るビジネスに、チャンスを感じたことです。

ユーザー属性は、女性ユーザーが85%、20~40代が多い。会社は半数以上が外国人スタッフ。「Tokyo Treat」と「Sakuraco」で売上の7割ほどを占める。

どのように「サービスの設計」をしましたか?

近本:
日本のものを海外に売るというのは決まったので、その中で「何を売るか」「どこに向けて」「どう売るのか」を調査して決めていきました。

まず省庁が公開しているデータを調べると、日本に来る外国人の方が一番買うものは、1位が「お菓子」で70%以上の方が買っていたんですよ。

爆買いって「化粧品・家電・ブランド品」が多いという印象でしたが、実際にはお菓子が多かった。これがまず意外だなと思ったんですね。

また「どこに売るか」は、アメリカと中国の市場が大きかったのですけど、中国は物流が安定しない問題や規制もあったためアメリカにしました。

そして「どう売るのか」は、2015年頃はアメリカで色んなものを箱に詰める「サブスクボックス」が流行っていて、そのモデルを選択しました。

最初のサービスである「Tokyo Treat」はどのようにはじめていったのでしょうか?

近本:
最初はお金もなかったので、ダンボールに日本の国旗が書いてあるテープを貼って、それにコンビニなどで買ったお菓子を詰めて送りました。

問屋にも30件くらい電話したのですけど、実績がなくて全てお断りされてしまったので、自分たちでお菓子を買って回りました。

コンビニって実は大量発注ができるんですよ。それで「絶対に買うので発注してほしいです。」と言って、キットカットを1,000個発注したり。

あとはドン・キホーテで大量にお菓子を買ってきたり。最初の半年は自宅でやっていて、その後に小さなオフィスを借りました。

最初はFacebook広告などに出稿していたところ、3ヶ月目にUnboxing系のYouTuberの方に取り上げてもらえて、売上が伸びはじめました。

Unboxingというのは、日本だと「買ってみた・やってみた」のような、箱を開けて中身をいろいろ紹介するジャンルのことです。

売上が伸びたことで、YouTubeは有効なんだと気づいて、そこから積極的にYouTubeをマーケティングに活用して、事業を伸ばしていきました。

サブスクボックスの運営で「ここはポイントだった」と思うことがあれば教えてもらえますか?

近本:
毎月お届けする箱に「テーマ」を設けていることです。例えば「ひな祭り」のようなものや「浅草スナック」などの創作系テーマもあります。

お客様にとっては、箱が届いた瞬間から体験なので、テーマで箱を表現できているかも大事ですし、全体的なプロデュースが大事なんです。

実際に良いテーマにできると、売上も伸びますし解約率も下がります。

例えば「桜」というテーマはとても人気です。桜に日本らしさを感じくれる方が多くて、桜のお菓子やお茶なども気に入ってくれています。

以前に「桜味のコーラ」を箱に入れたところ、それが海外で話題になって、前月比で40%くらいお客様が増える、ということも起こりました。

そこで「桜ってすごいキーワードなんだ」と気付いて、そのあとの道しるべにもすごくなりましたね。

「ペプシSAKURA」を入れたら海外で話題に。そこから「桜」が人気だと気づいた。
人気商品にも「桜味」が多くランクインするほど。

あとは、過去に反響が良かったテーマは「コンビニ」です。海外の方からするとコンビニって、ものすごく「日本らしいもの」らしいんですよね。

小さなお店で必要なものが何でも買えて、品切れもないし店員さんも親切で優しいと、日本らしい良いイメージを持っている方が多いです。

ICHIGOさんのサブスクボックスで、海外ユーザーは「どんな体験」を求めていると感じますか?

近本:
サービスによって違いますが、例えばSakuracoというサービスだと、日本の「その土地の味を味わう」という体験を求めていらっしゃる方が多い。

例えば、日本の茨城にはこんなお菓子があって、この職人さんがつくっているんだという情報を、冊子を見ながら食べて体験していただく。

なので、ストーリーと体験かなと思います。ただお菓子を買うなら近所のスーパーに行けばいいけれど、体験はこのサービスでしか味わえません。

海外では「ただ商品を消費する」というよりは、メーカーや職人さんの裏側にある「ストーリーと共に消費したい」と考えるお客様も多いです。

つまり「なぜ作るのか、何のためにやるのか」を伝えることも重要で、それもあって「冊子」を毎月入れて、情報を発信するようにしています。

お客様は「日本のファン」が多くて、日本に旅行に行ったときの思い出や、日本のこれがまた食べたい、と話してくださる方も多いです。

SNSを見ていても、お菓子を和食器にのせてくれていてたり、後ろに屏風がうつっていたりと、日常に「日本がある方」が多いと感じます。

毎月箱に入れている冊子。メーカーの裏話を取材したり、日本の文化を伝えている。

私たちは日本の小さなメーカーさんを応援したいなと思っていて、海外に発信することで「新たな販路」をつくることにも貢献したいなと。

お客様の中にも、Sakuracoを利用することが「日本のメーカーの応援につながる」と思ってくださっている方も多いですね。

振り返って「事業の成長」につながった要素があるとすると何だったと感じますか。

近本:
オペレーションを内製化することです。そこを外注してしまう企業さんって多いと思うのですが、外注していたら絶対に儲からないですね。

サブスクボックスは、値上げをするのも難しいこともあって、オペレーションが命になってきます。コストを削減して削減して、オペレーションを内製で回すことが大事で、磨くほどに利益率が改善します。

なので、デザインもやりますし、開発もやりますし、マーケティングもやりますし、梱包も自分たちでやる。

例えば、平和島に倉庫も借りているのですが、1梱包あたりの単価も出して、それをいかに下げるかを指標として追っていたりします。

あとはオペレーションの最適化として、効果が大きいのは「配送料の交渉」ですね。常に配送業者を開拓して、料金を交渉しています。

梱包作業って下げられても1箱あたり1円2円なのですが、配送だと1箱あたり300円くらい下げられることもあります。

料金を釣り上げられてしまわないように、1社に依存せずアメリカや中国などの配送業社を開拓して、適切に競争状態をつくっていますね。

【取材協力】
株式会社 ICHIGO:https://ichigo.com/ 
Tokyo Treat:https://tokyotreat.com/
Sakuraco:https://sakura.co/
CEOの近本さん:@ICHIGO_CEO

【告知】ICHIGOさんでは各職種で採用強化中。エンジニアやマーケターなど募集しているそうです。ご興味ある方は下記サイトよりどうぞ。

※ 以降は、マニアックな事例を5つほどnote購読者向けにまとめています。サイトの購入率を高めたABテスト、YouTuberマーケティングのポイント、効果的だった広告クリエイティブ、などご興味あればご覧ください。

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