電話したくない人が増えて「チャット予約」が9割を占める。50万ダウンロード突破の整形口コミ予約アプリ「トリビュー」が語るユーザー心理と、予約率20%改善した施策
美容医療の口コミ・予約アプリ「トリビュー」さんにお話を伺いました。ダイジェスト版は漫画でまとめています。
・モウさん ツイッター(@deisyyy_tb)
・トリビュー(https://tribeau.jp/)
【トリビューさんより告知】トリビューさんでは各職種採用中とのことで、ご興味ある方は以下よりどうぞ。
以下、note購読者向けに、インタビューの「テキスト+図解版」の詳細記事を配信しています。
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※ 株式会社トリビュー 代表取締役 毛 迪(モウ デイ)さん
トリビューについて教えてください。
トリビューは美容医療の口コミ・予約アプリです。現在50万ダウンロード、累計で50万枚の投稿画像が集まっています。
ユーザー層は20代〜30代の女性が80%。予約可能なクリニック(有料提携クリニック数)は、日本・韓国あわせて330院です。
社員数は20名ほど、業務委託のメンバーも入れると30名で運営しています。
※アプリの流入経路は「WEBが1/3、SNSが1/3、その他が1/3」とのこと。
トリビューで上手くいった機能はありますか?
トリビューのアプリから、クリニックさんに施術の予約ができるのですが、「チャット予約」の満足度がとても高いですね。
なぜなら「電話したくない」という若い人が増えているから。電話は緊張するという理由だったり、営業時間外に連絡したいという事情だったり。
実際、電話かチャットで予約できるのですが、9割は「チャット予約」なんです。LINE感覚で連絡できるところが支持されています。
アンケートベースですと、チャット予約の利用者の97%が「また使いたい」と回答してくれていますね。
トリビューの特徴的なデータはありますか?
トリビューでは、アプリをダウンロードした当日(1日目)に、クリニックを予約するという方が1番多いことです。
データを見ると、当日(1日目)に18%、1週間以内に約40%が予約、18日目までに約50%の方が予約しています。日別だと当日が最多なんです。
わたしたちもすごく意外でした。もっと長期間悩んで情報収集するのかなと思いきや、当日に予約数する方が多かった。
仮説としては「美容医療」のような大きい意思決定をするときって、その人にとっての「波」があると思っていて。おそらく「転職」を考えるときとかも「波」があると思うんですよ。
その「波」が来たときにすごい勢いで情報収集して、アプリにたどり着いてバッと予約する方が多いのかなと。
※ 予約ユーザーの「月の平均滞在時間は82分」とのこと。短期で深く調べて予約に至る人が多そう。また「チャット予約したいからトリビューをDL」という行動も含まれていそう。
その「波が来る感覚」は他で例えるなら何でしょう?
転職に近いかなと思います。あと、わたしは最近犬を飼ったのですが、犬を飼いたくなる瞬間とも、少し似ているかもしれません。
キッカケは、友達が飼ってた犬が可愛かったからなんですけど、整形もそれに近いところがあるなと思っていて。
整形もまず悩みや、写真加工アプリで「もっと可愛い自分」を知っていて、こうなれば良いのにな、って気持ちを抱えている。
そこに、友達から「クリニックいってきたよ」という写真が送られてきて、肌が綺麗になってたり目が可愛くなってると、すごくやりたくなる。
以前に「アウトカメラで撮影された自分」がトリガーになって、整形したという人がいました。
それも増えていると感じますね。自撮りって可愛く撮れる分、ふと他撮りを見たときにショックを受けやすいのかなと。
わたしこんな顔だったっけ、二重顎だったっけ。そういうのに気づくと、加工アプリの可愛い自分と、他撮りのギャップを埋めたくなる。
友達が横で撮った写真が、LINEグループでシェアされて「自分の横顔ってこんなに丸いんだ」と、気になってしまったり。
この1年で「トリビューの売上は10倍に伸びた」そうですが、なぜそんなに伸びたのでしょう?
営業を頑張ってクリニック数を増やせたのと(1年で100医院→300医院)、クリニックさんのカスタマーサクセスを支援できたのが大きいです。
例えば、トリビューのデータを見て「このメニューはニーズがありますよ。こういうモニターを出すといいですよ」と提案させていただき、その結果で「予約数が数倍になる」というケースも出てきています。
現在、提携クリニック数は300くらい。アプリ内から予約ができたり、クリニックさんから症例写真を登録できたりします。
美容整形の「モニター」とはどういうものですか?
経過写真を提供することで「モニター価格」で施術がうけられるというものです。「美容院のカットモデル」のようなイメージですね。
予約全体でも「モニター希望」は3割ほどを占めています。アプリ内に「モニター募集」のページをつくったのも上手くいきました。
トリビューで検討して「直接予約してしまう」ケースもあると思うのですが、そこはどうでしょうか?
それもあるとは思います。使い続けてもらうメリットとしては、トリビューのポイントが施術費用の3%つくので「次回、安くなる」こと。
ちなみに、ダウンロード時に「整形経験のありなし」も聞いてるのですが、4割の方は「過去一回は経験がある方」だったりもします。
トリビューの「特徴的なデータ」は他にありますか?
美容整形は、長期でお休みがとれるタイミング、とくに年末年始やお盆になると「単価が1.5倍」くらいになります。
普段が平均20万円なら、平均30万円になる感じです。これは、長い休みのときに大きい施術をしてしまおう、という心理だと思います。
あとは今年はマスクをする機会が増えて「鼻と小顔」の施術も増えました。施術した後にマスクで隠せるからです。
上手くいった「アプリの改善例」があれば知りたいです。
トリビュー内の、ユーザー投稿ページから「予約するボタン」を減らしたところ、予約率が20%くらい改善されました。
具体的には、予約ボタンをつけるのをやめて、クリニックの詳細ページに誘導する、というボタンだけにしたんですね。
なぜなら、良い体験談を見つけてもすぐに予約はしないから。クリニックの詳細や価格を見てから、予約する人がほとんどだからです。
予約ボタン自体は押されていたのですけど、途中で離脱してしまっていて、あまり最後の予約まで至っていませんでした。
つまり、ユーザーの行動に沿って正しいアクションボタンに絞ったところ、最終的な離脱数が少なくなって、予約率アップにつながりました。
※ 以降は、マニアックな話をnote購読者向けにまとめています。インスタの広告で「予約CPA」を80%削減した訴求、トップの導線改善でクリニックページのPVを1.3倍にした改善、などご興味あればぜひご覧ください。
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