実力より課金力で「子どもの絵やダンス」の順位が決まってしまう「中国の投票アプリ」が幼稚園の副収入にもなっている話。
中国人ユーザー(30代 男性)に聞いた2つのアプリの話をまとめました。
目次:
1、中国の幼稚園でつかわれる「課金で投票できる」投票アプリの話
2、おばあちゃんも月額課金してしまう「幼稚園アプリ」のマネタイズ
1、中国の投票アプリの話
中国の幼稚園では、子どもの絵やダンスを「投票アプリ」にあげて、そこで子どもたちが「投票数を競い合う」ということが行われています。
ただ、どの親たちも「自分の子ども」に投票するので、これは単純な「絵やダンスの上手さ」だけで、順位が決まることはありません。
なにが勝負を分けるかというと、親戚や知り合いの多さと、お金の力です。このアプリでは「投票数」を課金で増やすことができます。
※上記はテスト的に作成したページ。アプリ名は「全民微投票」で、WeChatのミニプログラムとしても提供されていると。ページ作成したらQRコードをみんなに共有して、投票ページにアクセスして投票してもらう仕組み。
親たちは「ランキング1位」を獲得するために、WeChatで親戚に拡散して呼びかけて、自分の子どもに投票してもらいます。
ただ、親戚や知り合いの数には限界があるので、最終的には「課金の力」で勝敗が決まります。お金持ちがランキング上位になります。
親は子どもを1位にさせたい。ただそれだけです。1位になっても何もない。幼稚園とか親戚の間で「1位になったね!」と喜ぶだけです。
でも、それは嬉しいこと。中国では競争が激しいので。日本人からみると、あまり理解できないかもですけど、中国では普通の感覚です。
この「投票アプリ」で課金された分は、幼稚園にも収益が入ってくるので、幼稚園にもメリットがあります。
あんまり頻繁にやると、親たちも疲れてしまうからか、うちの幼稚園では「半年に1回くらい」行われていますね。
子どもは「課金で1位になった」なんて知りません。1位になって嬉しいな、くらいです。なぜ1位になったか、3歳4歳は考えないですよ。
※親や親せきが「投票アプリ」で課金した収益は、70〜80%が幼稚園側に分配される仕組みになっているようです(参考) 絵が下手な子が勝っても不満が出ないんですか!? と聞くものの「中国人にとって競争は普通だよ」といった反応だったので、感覚的に日本と違う部分も多々ありそうですね。
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