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使わないともったいない価格心理で客単価が2倍に。キャリアSNS「YOUTRUST」が語る価格プラン変更で「顧客アクション」が変わった話と、今年副業ニーズが伸びた理由

キャリアSNSの「YOUTRUST」さんにお話を伺いました。ダイジェスト版は漫画でまとめています。

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・YOUTRUST 岩崎さん ツイッター(@yuccaaaa
・YOUTRUST(https://youtrust.jp/

【YOUTRUSTさんより告知】もうすぐ「YOUTRUST」のアプリ版が出るそうで、ぜひ公開されたら使ってみてくださいとのこと。

以下、note購読者向けに、インタビューの「テキスト+図解版」の詳細記事を配信しています。

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※株式会社YOUTRUST 代表取締役 岩崎 由夏さん

YOUTRUST(ユートラスト)について教えてください。

YOUTRUSTは副業・転職先と出会える「キャリアSNS」です。2018年4月に公開して、登録ユーザー数が2万人を超えたところです。

求職者にとってフェアに採用が決まったり、さりげなく転職や副業の意欲を伝えるだけで声がかかる場所をつくりたい、とスタートしました。

特徴的としては、「友達の友達」までしか繋がれないようになってるため、スカウト送信へのユーザー返信率が、60%を超えていることです。

会社の規模としては、フルタイムで10人弱、副業を入れると30〜40人です。

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コロナ禍になって「副業ニーズ」は伸びてるのでしょうか?

コロナ禍になった時は「うちの会社終わった」と思いました。不況で真っ先にやられるのって人材系なんですよ。採用も止まるし終わったと。

でも、途中から「追い風」が吹いてることに気付いて。実は、リモートの会社が増えたことで、ものすごい変化が起きていました。

これまでは、副業したい人ばかりが多くて。「副業いりません」という会社ばかりでした。理由は「出社してくれないと困るから」です。

でも、全員がリモートになる会社も増えて、固定費を下げたいとなった時、副業の人を採用する会社さんが現れてきたんですね。

ヤフーさん、ユニリーバさん、神戸市さんのような行政も、副業の採用枠をとりはじめて。リモートで副業ニーズが高まる。この流れは予想外でした。

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※ YOUTRUSTにおける、マッチング数(スカウトの返信数)と、MRR(月間の収益)は、今年想定外に3〜4倍も伸びるという結果になった。

「副業したい人」のニーズはどうでしょうか?

副業したい方も明確に増えています。以前なら「忙しい」と言ってた人が、リモートが中心になったり、通勤がなくなって暇が増えている。

外出も減ったしもっと働きたい。他社で実力が通用するか確かめたい、漠然とした将来への不安がある、といった心理があるようです。

大企業さんが整理解雇をするニュースも増えていたり、誰もが明日が見えない不安を抱える時代に、なっているのだと思います。

もう終身雇用が当たり前じゃないし、自分がこの会社じゃなくなったとき、ご飯を食べていけるのかな、と不安に思う人が増えている。

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※ なお、YOUTRUSTのユーザーの中では、77%が「副業意欲あり」の状態で、ステータスを登録しているそう。

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うまく「数値を伸ばせた施策」があれば教えてください。

YOUTRUSTには、友達の友達まで「ステータス」がみられる、法人向けの有料プランがあるのですが、価格プランを変更したら数字がのびました。

前まで月額をすごく安くして、成果報酬をいただいてました。1人採用したら何十万円。それを成果報酬をやめて「月額のみ」に変えたんです。

そうしたら、価格体系を変えただけで、半年か1年契約なのですが、解約率が半分になって、1社あたりの客単価が2倍になりました。

利用者もアクティブになったことで、スカウト送信数が3倍に伸びていて。マッチング数(スカウトへの返信数)も5倍になっています。

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どうして「価格のプラン変更」で数字が伸びたのでしょう?

なぜかというと、月額で安くない金額を払うと「使わないともったいない」という心理になり、みなさんちゃんと使うようになるからです。

すると、うまく採用できるようになるし「YOUTRUSTでいい人採用できた」となれば継続してもらえる。そういう、良いサイクルが回り始めた。

これが「月額0円・成果報酬90万円」だと、積極的に使わなくてもいいじゃないですか。前は使わなくてもいい状況をつくってしまっていた。

しっかりとお金を払っていただくことで、採用の優先度をあげて取り組んでいただくというのが、何よりも肝だったんだなと。

はじめに「月額0円」でやっていたわたしは、馬鹿だったなあと思います。

「スカウト送信数が3倍」というのは大きな変化ですか?

そうですね。YOUTRUSTは「採用型サービス」なので、スカウト数は大きな指標なのですけど、それが「3倍になる」ってすごい変化で。

これまで、私が「その会社に合った人」をYOUTRUSTで探してきて、法人のお客さんに「この人どうですか?」と送っていたんですよ。

そこまでやっても、スカウトメッセージって、全然伸びなかったのですが、プランを変えたらどんどんスカウト送信されるようになって。

私たちの今までの頑張りは。。。みたいな感じでしたね。笑

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YOUTRUSTは無料でも「採用活動」ができますか?

もちろんです。YOUTRUSTへの求人掲載は無料なのと、友達まではステータスが見られるため、それを採用に活用している会社さんも多くいます。

上手に活用しているのは、全社員でYOUTRUSTに登録して、無料でみられる「友達のステータス」を広げるような使い方です。

「友達の転職意欲が変わりました」というのをSlackに通知するようにして、その瞬間にメッセージを送っている方もいます。

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YOUTRUSTさんの「副業の採用事例」を教えてください。

やっぱり採用って「接点を持つ」というところが命で。接点さえ持てれば、関係性をつくって中長期で口説くこともできる

それで、副業はこの「出会う」という大義名分をつくりやすいんです。

たとえば、YOUTRUSTで副業で働く緒方は、本業がグローバルIT企業(リモート)なのですが、旦那さんの仕事の都合で仙台に住んでいます。

そのタイミングで、私たちに出会って「仙台からなら働けます!」ということで、副業で入ってくれることになった。

それで、YOUTRUSTで働くうちに「もう一度、魂を燃やしたくなった」と言って、嬉しいことに転職してくれることになったんです。

現職ではお給料もいいし、めっちゃホワイトなのに。そういう想像していなかった「出会い」がつくれるのは、副業ならではだと思います。

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副業から転職につながることもあるんですね。

はい。あとは「CARTUNE」という車のSNSをメルカリに売却した、福山さんという元起業家も、副業でYOUTRUSTを手伝ってくれていて。

福山さんは、YOUTRUSTに「副業をやってみたい」と投稿していたので、私が「うちどうですか?」とDMしたのが最初のご縁でした。

今はメルカリの社員なので「メルカリと言えば、みんな副業してるから僕も一回やってみたかった」ということを言っていて。

そういう強い人の手を借りて、ドリームチームが組めるのも、副業ならではじゃないかなと思っています。

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ほかにも「うまくいっている施策」はありますか?

最近は「すごい副業」という企画が好調です。さらにそれを、Facebookやツイッターの広告に出したところ、うまくユーザーを獲得できています。

通常のYOUTRUSTの広告と比べると、「すごい副業」の広告は1ユーザーの獲得単価でいうと、ほんまに1/2〜1/3になっていて

なので、話題性のある企画をつくって、それをSNS広告を回すと効果的だ、というのは大きな気づきでした。

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※ 以降は、マニアックな運営の話をnote購読者向けにまとめています。「友達の申請数の改善策」「YOUTRUSTで見ている指標の話」「副業でお仕事を依頼する2つのコツ」など。もし興味がありましたらぜひご覧ください。

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