世界150万ユーザー突破。プログラミング学習サービス「Progate」のインド奮闘記。インドで「オンライン修了証」から口コミが生まれた理由。15万ユーザー到達までにやった「イベント×コミュニティ戦略」
世界150万ユーザーのプログラミング学習サービス「Progate」さんにお話を伺いました。ダイジェスト版は漫画でまとめています。
・Progate公式ツイッター(@progateJP)
・Progate(https://prog-8.com/)
【Progateさんより告知】Progateでは各職種を採用募集中とのことで、ご興味ある方は採用ページよりどうぞ。
以下、note購読者向けに、インタビューの「テキスト+図解版」の詳細記事を配信しています。
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1、Progateインド市場での立ち上げ事例
※ Progate インド担当の宇野 舜さん
○ なぜProgateは「インド進出」したのか?
宇野:
もともと、Progateの英語版へ「インドからのアクセス」が多かったんです。また、東南アジアで広告を打ったときも、インドでの反応は良くて。
そして、Progateの世界展開を進める上で、インドを含めた東南アジアの国に視察にいったときにも、とくにインドは手応えがありました。
インドは、毎年数百万人のエンジニア人材と呼ばれる、新卒の学生が大学を卒業していくほど需要は大きく、体系的にプログラミング学習できるサービスも当時はありませんでした。
こうして、2018年にProgateのインド法人を設立しました。現在は5人のメンバーがいて、僕以外は全員インド人となっています。
○ インドで「どう価値提供できるか」掴みきれなかった
宇野:
僕はインド法人の設立から数ヶ月後に参画したのですが、はじめから好調だったわけではなくて、立ち上げ初期はかなり難しかったです。
Progateが「インドで価値を出せる」のはわかっていました。でも、彼らが本当に求める価値を提供できているのか、という課題はあって。
具体的には、Progateには基礎や中級へのコンテンツはありましたが、インドで求められていたのは「職を得るためのスキル」だったことです。
どのようにProgateをつかってもらえれば、この課題を解決できるのかを、うまく掴みきれずにいました。
○現地スクールの視察で「本当の価値」に肌で気づけた
宇野:
転機になったのは、現地の有名プログラミングスクールから「Progateを導入したい」と、言っていただいたことでした。
そのスクールは、初心者に1ヶ月でプログラミングを教えて、マイクロソフトやGoogleのインターンシップを輩出する、有力スクールでした。
初心者から必要なスキルを身につけて、有名企業のインターシップの機会をどう得ているのか、僕たちはそれがすごく気になりました。
そこで、1ヶ月ほぼ毎日スクールを見学させてもらい、どうProgateをつかっているのか、どのように学習しているか観察したんです。
毎日のように、教室の後ろで見学させてもらったり、お昼休みにはインドの学生さんに話しかけて、話を詳しく聞いてみたりもしました。
すると、ひとつわかったことがありました。
それは、Progateは初心者がプログラミングでつまづきやすい点に対して、つまづかないようにする仕組みを、高い質で持っていることでした。
Progateのおかげで「入口がスムーズに学べた」という声を、学生さんや運営さんからいただけて、肌で手応えを感じられたんですね。
その経験によって、Progateがどう使われると価値が出るか実感が得られて、そこからの施策にもその経験が活かされました。
○ 大学別のコミュニティに向けてイベントを行う
宇野:
もともと、オンライン全方位でプロゲートを広めようとしていたけど、そこからは大学毎にProgateを広める方向に、変えることにしました。
学生に話を聞いてわかったのが、インドの大学生は意外と外に出ないから、大学内で口コミが流行りやすい、ということでした。
また、インドのエンジニア系の学部のある大学には、エンジニアのコミュニティ等があって、そこにアクティブな学生が属していました。
日本では、口コミやツイッターコミュニティでProgateが広がりましたが、インドで同じことは起きにくいことが掴めてきたんです。
そこで、大学別にプログラミングのイベントを開催することにしました。今では月150回程のイベントを開催しています。
参加者には、3日間Progateのコースを無料開放したり、Progateで学んだ後ハッカソンのように何かつくってみる、というイベントもあります。
オンライン全体より大学毎のコミュニティに対して、Progateを広げていくほうが効率が良いので、そちらに方向転換してきました。
○ オンラインの「修了証」がSNSで口コミを生んだ
宇野:
インドでうまくいったのは、Progateで特定コースを修了した人に、オンラインで「修了証を発行する」という機能でした。
これがあると学生に「つかいたい」と思ってもらいやすいんですね。
まず、インドでのプログラミングは「就職のためのスキル」として見なされていて、エンジニア就職するための手段になっています。
そして、インドでは就活で「Linkedin」を使うのですが、学生はページに何を投稿するかというと実績なんですね、つまりそれがイベントやオンラインコースの「修了証」なんです。
Progateのイベントに参加するなどして「修了証」が発行されると、それをみんなLinkedinに載せることで、認知や口コミにつながっています。
この修了証というのは「就活に役立つ機能」だけではなく、大学で口コミを生む起点になっていて、重要な役割を果たしています。
現在インドのユーザー数は15万人。2020年1月に7.5万人だったので、半年で2倍の規模になっていて、伸びるスピードも上がってきています。
修了証やイベント開催による、コミュニティからの口コミによって、新規獲得の8割くらいに繋がっているのでは、と感じますね。
○ イベント運営は月150回、インターン生も参加している
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