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月商は数億円に成長「レンティオ」が語る、いい接客をすると「レビューが増えるワケ」と商品カテゴリ別の「リピート率の分析」でサービスが急成長した話。
家電レンタルの「レンティオ」さんを取材しました。
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「レンティオ」について教えてください。
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三輪:
買わずに試せる家電のレンタルサービスです。2015年にサービス公開して、月間の利用者は約11万人、月商(GMV)は数億円に到達しています。
特徴としては、約80%という「商品稼働率」の高さや、利用者の70%を女性が占めること、比較的「年収の高い層」にもつかわれていることです。
ユーザー満足度を指標化した「NPS」も31と高く、この満足度がリピート率や口コミにつながり、事業が伸びていると考えています。
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レンティオの成長で「ここはポイントだった」と思えるところがあれば教えてもらえますか?
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三輪:
大きかったのは、初期はカメラだけだったのですが、掃除家電・美容家電・キッチン家電などに広げた結果、そちらがグワーっと伸びたことです。
中でもポイントだったのは、「商品カテゴリ別のリピート率」を計測して、どの商材から入ってきた人がリピートするかを分析したこと。
例えば、カメラを借りたユーザーさんって、2回目以降も基本はカメラしか借りないという傾向があるんですね。
一方で、「生活家電やキッチン家電」から入ったユーザーさんは、2回目以降にカテゴリを超えながら、頻度高くリピートするんですよ。
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僕らはリピーターを増やしたかったので、カメラ以外にも広げました。特定カテゴリから入ってきた人が、他のカテゴリにもバッと広がるからです。
ほかには、美容家電から入ったユーザーさんは、2回目にもまた美容家電に行きがちなのですけど、翌月のリピート率が圧倒的に高いんです。
美容家電って、肌質とか髪質もあって「合う・合わない」が結構あるので、レンタルでの満足度がすごく高いんですよ。
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レンティオの運営で「大事にしていること」があれば教えてください。
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三輪:
カスタマーサポートに力を入れていて「お客様満足度」を最大化することをとても大切にしていますね。
社内チャットに、カスタマーサポートの現場スタッフと、エンジニアやデザイナーをつなぐ「お客様の声チャンネル」のようなものがあって。
そこに、お客さんからの「ああしてくれ、こうしてくれ」という声をガンガン届けて、すぐ改善できるようにしているんです。
文化としては「意見を絶対に否定しないこと」を大事にして、理由があってそうしていても「ありがとう」と一旦受け止めるようにしています。
そうすると、新人さんでも意見をあげやすく、改善項目をガンガン吸い上げられるので、個人的にはすごく良い文化だなと思っていますね。
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カスタマーサポートに力を入れると「どんなメリット」があると考えていますか?
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三輪:
例えば、レンティオでは「接客がレビュー投稿につながる」という強い傾向が出ています。お問い合わせ対応をするほどレビューが増えるわけですね。
ECにおいてレビューってすごく大切です。なのでレビューにインセンティブを出すECも多いのですけど、そこは実は「いい接客」をすればいいし、接客しやすい仕組みをつくればいいんですよ。
例えば、スマホからチャットで質問もすぐできたほうがいいし、チャットのレスポンス速度も速いほうがいいわけです。
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実際にレンティオでは、お客さんの約10%がレビューを書いてくれますが、その半数くらいが「接客についての良い感想」を投稿してくれます。
例えば「的確にメールをいただけた」「対応が速かった」など、いい接客をするほどユーザー体験が高まって、レビューを書いてもらえるんです。
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他にこれまでに「ターニングポイントだった」と感じることがあれば教えてください。
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三輪:
短期で得られる利益を捨ててでも「顧客満足度を高めよう」という判断が、結果的にサービスの成長につながったと考えています。
印象的だったのは、2020年の11月頃に、月額プランのリニューアルをして、レンタル料金の総額が「レンティオが定める商品金額を超えている人」のお支払いを自動終了することにしたんですよ。
10万円の商品を「月5,000円」で30ヶ月借りている人がいたら、10万円の商品なのに、総額15万円を支払ってくれていることになる。もうこの人には、料金はいただかずに「商品をあげてしまおう」ということです。
この払い過ぎている金額って「月に200万円分」くらいはあったんですよ。年間だと数千万円の純利益になります。会社的には美味しいお客さんです。
でもそれでいいんだっけと。お客さんのためになるんだっけと。それを社内で議論して「払い過ぎている人」には、もう商品をあげてしまおうと。
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僕ら的にはこれは大きな意思決定でしたが、不思議なことにそれから「月商・リピート率・新規の利用者」などが、グワーっと伸びたんですよ。
具体的には、リピート率でいうと「年間20%」しかなかったのですが、そこから徐々に伸びて「年間45~50%」まで伸びていった。
当然それだけではないですけど、そのおかげもありサービスが急成長した。この決断がなかったら、今の成長率はないのではと思うほどです。
なので、お客さんに満足してもらえる、サービスをつくるって大事だなと。
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施策①:ポップアップで「自己紹介」CVRが1.4倍に
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三輪:
新規流入した人には、商品ページで「Rentioへようこそ」とサービス内容と利用方法を紹介したところ、成約率(CVR)が1.4倍に改善しました。
背景としては、レンタルサービスはまだまだ一般的ではなく、はじめて利用するお客さんも多いため、早めのタイミングで「懸念や不安」を払拭することが、ユーザー体験の向上につながったのだと思います。
これを「いつどう案内するのか」は色々検証しましたが、ヘッダーで目立つようにする等よりも、商品ページでのポップアップが最も効果的でした。
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施策②:初期は「ニッチなカテゴリ」から攻めた
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三輪:
初期は「ニッチから攻めること」にこだわりました。当初はカメラからはじめたのですが「小さなカテゴリ」から攻めていきましたね。
例えば、いきなり「カメラ レンタル」でネット検索1位にはなれないため、まずは「チェキのレンタル」に力を入れました。
「チェキ レンタル」で検索上位をとる。その次にGoProのレンタルを狙う。その次に一眼レフを狙う。ニッチの攻略を繰り返しました。
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また、初期は在庫がなくても「商品ページ」を何百とつくっていましたね。なぜなら、アクセス解析で「PVが集まっているページ」がわかるためです。これをやることで「どの商品にニーズがあるか」が把握できました。
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施策③:「返却のUX」を高めつづけた
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三輪:
初期から「返却の体験」にもこだわりました。レンタルサービスって昔からあったのに、あまり伸びなかった理由って「返却体験が悪かったから」だと思っているんですよね。
なぜレンタルの企業が「返却のUX」を磨かないかというと、返却されないほうが儲かるからなんですよ。まずそこが間違っていたのかなと。
レンティオでは、カレンダー型のUIで「いつ借りられるか」がすぐわかるようにしています。実際にこれで「注文数や申込率」も高まりました。
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購入ではなく「レンタル」だから起こっている消費行動というのはありますか?
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三輪:
印象的だったのは、メーカーさんの直販サイトに「レンタルの導線」を入れてもらったところ「直販経由のクレームが減った」と言われたことです。
つまり、いきなり購入ではなくて「試してから買う」ようにしてもらうと、勘違いや想像と違っていたというクレームが一気に減ったと。
実際に、ルンバのアイロボットさんとの取り組みは成功事例になっていて、レンティオの月間利用者の「何割かを占めるほど」になっています。
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あとレンタルしたけど「買わなかった人」にアンケートをとると、商品を「買わなかった理由」がわかるのも面白いんですよ。
例えば、自動調理鍋でいうと、シャープさんの「ホットクック」という商品と、ティファールさんの「クックフォーミー」という商品があって。
この2つは競合に思えますが「買わない理由」を分析すると、実はそうとも限らなかったんです。つまり「買わない理由」が異なっていたんですね。
具体的には、ホットクックは「手軽につくれること」が強みで、クックフォーミーは「こだわった料理がつくれること」が強みだった。それが買わない理由にも表れていたんですよ。
メーカーさんにデータをお伝えすると、家電量販店での訴求などを変えてくれました。「買わない理由」からは色々なことがわかります。
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【取材協力】
レンティオ株式会社:https://www.rentio.co.jp/
レンティオ:https://www.rentio.jp/
代表取締役社長の三輪さん:@miwawa0717
【告知】レンティオさんでは各職種で採用強化中。エンジニアやカスタマーサポートなど募集しているそう。ご興味ある方は下記サイトよりどうぞ。
※ 以降は、マニアックな事例を4つほどnote購読者向けにまとめています。類似商品への流入数を伸ばしたABテスト、オウンドメディアをCSに活用する方法、テレビCMで訴求検証した方法、などご興味あればご覧ください。
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