候補者ファーストな「グロース施策」を地道に続けて成長。MAU 7万人「Meety」が語るSNSにコンテンツが溢れた「ウラ凸」の裏側とコアユーザーが文化を作る話
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症やコロナワクチンについては、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

候補者ファーストな「グロース施策」を地道に続けて成長。MAU 7万人「Meety」が語るSNSにコンテンツが溢れた「ウラ凸」の裏側とコアユーザーが文化を作る話

アプリマーケティング研究所

カジュアル面談プラットフォーム「Meety」さんを取材しました。

株式会社Meety 代表取締役 中村 拓哉さん。3児の父。はじめは2名で運営スタート。エンジニアと中村さんだけだったので、ビジネスサイドは全て1人で回していた。

Meety(ミーティー)について教えてください。

中村:
「カジュアル面談を"もっとカジュアル"に」をコンセプトに掲げるカジュアル面談プラットフォームです。2020年10月にリリース、現在の月間アクティブユーザー数(MAU)は7万人を突破しています。

月2,200件以上のマッチングがあり、「採用につながった」「雑談してたら副業が決まった」など、たくさんの出会いが生まれています。

候補者ファーストで、最も気軽に企業とのコミュニケーションがとれる、「キャリアのウィンドウショッピング」ができる場所を目指しています。

「サービスの立ち上げ期」にやったことを教えてください。

中村:
初期にやったのは「特集コンテンツ」でした。発信力が高くて誰もが「一度は話したい」と思える人にDMで声をかけて、特集を組んでいきました。

特集って登録ハードルが低いんです。「○○さんMeetyに登録してください」というよりも、「○○さんをスゴイ人として特集させてくれませんか?」とお願いするほうが、参加してもらいやすいと思うんですね。

それで、例えば「データサイエンティスト特集」のような、特集企画を月に2〜3本実施することで、初期のコンテンツを蓄積していきました。

その状態で、Meetyに訪れたユーザーには、「こんなスゴイ人とカジュアル面談できるんだ!」というユーザー体験を提供できます。

このような形で、CtoCプラットフォームの、初期の「ニワトリタマゴ問題」を突破していきました。

重要なのは「わかりやすい実績」をつくることだった。ひとつ事例ができると「こんな感じでつくります」と伝えるだけでも、特集の承認率が上がっていった。

そこから、ユーザー数が「伸びるキッカケ」になったのは、どのような施策だったのでしょう?

中村:
成長の起点になったのは、Meetyに会社のページをつくって、ひとつの会社を特集する「ウラ凸」をはじめたことでした。

これは窓口を用意していなかったのに、企業からのDMが殺到して、すぐに「3ヶ月後まで予約でいっぱい」という状態になってしまいました。

企業を特集することで、人数分のコンテンツがたくさん生まれて、それが社員の方に一斉にSNSでシェアされることで、SNSにMeetyのコンテンツが、だんだん溢れていくようになりました。

成功した要因は「リファラル採用」の文脈にうまくハマったことです。企業には「リファラル採用をしたい。でも現場を巻き込めていない」という課題があったんですね。

例えば、エンジニアは「コードを書きたい」と思っている。企業は「採用に力を貸してほしい」と思っている。そこをつなぐのが「ウラ凸」という企画だったのだと思います。

そして、掲載されると他の会社からの「あれ、うちの会社もやりたいです」という問い合わせが連鎖して、次々にコンテンツが生まれました。

サービスの運営で「とくに初期に大事にしていたこと」があれば教えてもらえますか?

中村:
はじめは、非効率であっても「グロースしないことをやろう」と、ユーザーの方にサプライズを届けることを、地道に続けていました。

プラットフォームの雰囲気を形成するのは「初期のコアユーザー」です。

コアユーザーが、サービスの思想にあった「良いコンテンツ」を出してくれれば、それが次のユーザーにもラーニングされます。

コアユーザーへの丁寧な対応は、その後の「サービスの民度」にもすごく影響しますし、他の色々なところにも影響します。

例えば、アンケートの協力率、SNSのクチコミ数、応援したいと思ってくれる人の数。これらは「盛り上がってる感」の形成にもつながります。

僕はAirbnbというプロダクトが好きで、Airbnbのように候補者のほうを向いて、安心して使えるサービスを目指したい、と考えていました。

とくに、コロナ禍に生まれたサービスなので、人とのつながりが薄くなっていく中で、温かみを感じられるサービスに、絶対にしたいなと。

それもあって、Meetyのカラーも、採用サービスとしては異質な「ピンク」にしていて、温かさを感じられるように意識しました。

Meetyでは「どのような流れ」でユーザー数が増えているのでしょうか?

中村:
Meetyのグロースサイクルは、新しいコンテンツがつくられて、それがSNSやnoteでシェアされることで、会員登録が増えていく、というものです。

なので、出発点である「コンテンツ数」という指標を、どれだけ跳ねさせられるかが、会員登録や申し込みにも直結してきます。

どのような「ユーザー層」を集めると、ユーザー登録につながりましたか?

中村:
例えば、初期は「VC特集」というコンテンツが人気で、1日に数百件のカジュアル面談の申し込みが入って、登録ユーザーも伸びました。

VCの方って、利用用途がたくさんあるんです。投資先の採用支援をしたい、起業家を発掘したい、キャピタリストを採用したい、みたいな感じで。

用途が複数あるということは、コンテンツも複数つくられます。

エンジニアやプロダクトマネージャーもそうです。自社の採用もしたいし、雑談もしたいし、同業と情報交換もしたい。用途が複数あるんです。

「有名企業がつかってくれたこともグロースに貢献」

中村:
僕は、Speeeという会社で人事をやっていたのですが、Wantedlyを導入したキッカケになったのは「メルカリがやっていたから」だったんです。

メルカリさんは採用がうまくいっている。それなら僕らもやらないと。感度の高い「ロールモデル」に引っ張られてはじめたわけですね。

当時はWantedlyが流行りはじめた時期で、「こんなのスタートアップしかつかわないよ」と言われていましたが、今ではここまで浸透しています。

なので、そうした「有名企業からの着火を狙う」というのはポイントで、Meetyでも最初から意識していました。

Meetyの運営をしていて「意外だったこと」があれば教えてください。

中村:
Meetyで、たくさんの申し込みにつながったのは「データアナリスト特集」のような、専門性の高い特集だったことです。

なぜかというと、希少性の高い職種の方は、社内に相談できる方が少なく、悩みがあったときに「社外の同業者」に相談するためだと思います。

加えて、エンジニアなどの職種は「この言語の習熟度がこれくらい」など、比較的「課題の定量化」がしやすいんですよね。

そういう「課題の定量化」がしやすい職種って、SNSにコミュニティがあるんですよ。だから、そこでのバイラルがMeetyの反響につながるのかなと。

逆に営業のような職種だと、「この案件をどうクロージングすべきか」みたいな話は、ケースバイケースで、定量化しにくいのだと思います。

Meetyで「ユーザー体験」を改善できた事例があれば教えてください。

中村:
Meetyの申し込みボタンの文言を、「気になる」から「話したい」という形に変更したところ、マッチングの精度を高められました。

もともと、僕らは「気になる」を気軽に押してほしいと考えていましたが、ユーザーの声を聞くと、想像以上に真剣に考えてから「気になる」ボタンを押していました。

動作としては「ボタンを押す」だけですが、まずURLを保存して悩んでから後日ようやく申し込む、といった方がとても多かったんです。

やっぱり、自分のキャリアに関わることなので、ライトに決められないし、相手の時間も奪うからと、気持ち的には気軽に押せていなかった。

それを見て「一定の熱量」を持って、申し込んでいただくほうが、良いマッチングになると判断して、気軽にしすぎないようにしました。

具体的には、想いを伝えていただけるよう「話したい」というボタン文言に変えて、「何に興味があるのか」も選択する形式にしました。

これによって、申し込み率は変わらずに(徐々に上昇中)、お互いの動機を明確にすることができて、より「精度の高いマッチング」を演出することができたと、考えています。

Meetyを運営していて「意外な結果」になったデータがあれば教えてください。

中村:
意外な結果になったのは、社長のような「立場が上の人」だからといって、Meetyに「多くの申し込み」が入るわけではなかったことです。

企業目線だと、つい「弊社の代表が登場!」と言いたくなりますが、候補者目線での「申し込みしやすさ」を考えると、たしかに「偉い人」である必要ってないですよね。

例えば、転職1年目の方のほうが、「ぶっちゃけ入社してみてどうですか?」みたいな話も、聞きやすいと思うんですよ。

実際に、Meetyの特集でも、有名人がたくさん並んでいたにもかかわらず、外部への露出が少ない「若手の方」への申し込みが、1番多かったことがありました。

なので、やっぱり「候補者の目線」から考えてどうか、コミュニケーションとして適切なのかを、考えたほうがいいのだと思います。

最後に、中村さんがMeetyの事業戦略として「大事にしていること」を教えてください。

中村:
中長期で見たときに「何が競合優位性になりそうか」を考えています。

Meetyって「機能」はぶっちゃけ普通ですよね。ただのマッチングなので。もはや雰囲気でしかないけど、このような「雰囲気」は大切なんです。

僕らは、「このシーンならMeetyだよね」という利用用途の想起と、ここが「候補者にとって一番安心できる場所だよね」というブランド、これこそが最大の競合サービスへの障壁になると考えています。

あとは、人事の方からいただくのは「現場が楽しんで採用に協力してくれるようになった」という声なんですよ。リファラル採用が加速したと。

そういう体験ができると、それを止める必要ってないので、採用プロセスに食い込んでいく構造も、Meetyならではの崩しにくい価値だと思います。

-----

【取材協力】
株式会社Meety
Meety:https://meety.net/
CEO 中村さん:@3kkabi

【告知】Meetyを一度体験してみたい方、中村さんに「Meetyの現場の話」を聞いてみたい方は、下記ページより中村さんが「カジュアル面談」を設定してくれるそうです、ご興味あればぜひ。

※ 以降は、マニアックな事例を5つほどnote 購読者向けにまとめています。「企業内バイラル」の起点になった施策、KPI改善に貢献した「トップページの工夫」、などご興味あればご覧ください。

この続きをみるには

この続き: 1,497文字 / 画像5枚
この記事が含まれているマガジンを購読する
月7本程のノートをお届けします。マーケティングの事例やデータを学びたい人におすすめです。マネタイズや集客の施策、海外のデータや事例、ユーザーインタビュー等が中心です。蓄積された一部の過去記事は3年分くらい遡って読めます。クレカ決済だと初月無料なのでお試しでもぜひ。

月刊アプリマーケティング

2,000円/月 初月無料

スマホアプリ市場について学べるマガジンです。アプリやプロダクトの売上やユーザー数を伸ばしたい人にオススメです。月に7記事ほどお届けします。

☞ツイッターでマーケティング情報を発信中。取材募集もツイートでお知らせします ✍️

ご参考になるところがあれば幸いです!
アプリマーケティング研究所
アプリとスマホのマーケティング情報メディアです。漫画やイラストでプロダクト運営や事業の成功事例を発信しています。取材相談や情報提供などはツイッターDM(@appmarkelabo)まで。