男性同士が妊娠できる「オメガバース設定」作品が増加。MAU 97万人のBL専門サイトに聞く「BLトレンド」とカジュアルBL作品が引き起こす「BL読者の覚醒説」
BL専門サイト「ちるちる」を運営する、サンディアスさんにお話を伺いました。ダイジェスト版は漫画でまとめています。
・ちるちる(https://www.chil-chil.net/)
・公式ツイッター(https://twitter.com/chillchill_bl)
【ちるちるさんより告知】ちるちるさんでは、オタクマーケティングのnoteも運営しているそうで、ご興味ある方はぜひ覗いてみてください。
【取材申請】取材をご希望の会社さまは、取材申請フォームよりオファーいただければと思います(スマホアプリ以外でもOKです)
以下、note購読者向けに、インタビューの「テキスト+図解版」の詳細記事を配信しています。
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※ 株式会社サンディアス 代表取締役 井出洋さん、広報 むきゃさん
◎ BL専門サイトに聞く「BL業界のトレンド」
「ちるちる」について教えてください。
井出:
腐女子・腐男子のためのBLポータルサイトです。BL作品のレビューが16万件投稿されていて、月に97万人(MAU 97万人)が訪れています。
2008年から運営していますが、当時はAmazonがレビューサイトとして一番大きくて、個人ブログくらいしか感想をかく場所がありませんでした。
当時は「腐女子」というのは、理解しがたい趣味を持つ人たち、と世間に思われていましたが、今は風向きが変わってきたなと感じています。
BL業界におけるトレンドって何かありますか?
むきゃ:
最近になって「オメガバース」という設定の作品が増えています。これは簡単にいうと「男性が妊娠できる」という世界観です。
BL作品には「男性同士の恋愛を描く」という縛りがあるので、2人の関係性を描く以外のところって、なかなかできなかったと思うんです。
ところが、この設定があることで、男性同士の「子育てBL」や、昼ドラ的な「寝取りBL」も描けるようになり、展開にも幅が出てきました。
最近では、海外でもBLのファンが拡大していて、インスタの「#yaoi」というBLを表すハッシュタグには、700万件以上の投稿があります。
井出:
LGBTQの読者も増えていて、セクシャルマイノリティに配慮した作品も増えていますね。最近は「腐男子」と名乗るSNSアカウントもよく見かけます。
日本の「BL読者」というのは増えているのでしょうか?
井出:
そうですね、増えていると考えています。
たとえば、少し前に「おっさんずラブ」という、男性同士の恋愛を描いたドラマが放送されて、20〜50代の女性に大ヒットしました。
そういうカジュアルなBL作品が、BL読者の素質を持つ人を目覚めさせて、眠っていたBLの需要が掘り起こされていると感じます。
関ジャニの大倉さんが出演する、「窮鼠はチーズの夢を見る」という新作映画もBLが原作ですが、BLという設定が世に認められつつあるのかなと。
むきゃ:
無料のマンガアプリが普及して、無料で読めるBL作品も増えていて、そこで若年層との接点がつくられているのも大きいと思いますね。
「ちるちる」はどのように収益をあげていますか?
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