口頭説明に「絵(ビジュアル)」を加えるだけで、記憶に6.5倍も残りやすくなる。人間の脳と視覚の話。
脳のルールについて解説した「ブレイン・ルール(ジョンメディナ 著)」という本に、気になった内容があったので、簡単にメモしておきます。
人間にとって「視覚」の影響力はとても大きいぞという話。
インプットが「視覚的」であればあるほど、認識されやすくもあり、想起される可能性が高くなる。これを「絵画優位効果」と呼ぶ。
情報を「口頭」で説明してからテストすると、三日後の記憶は10%しか残らないが、「口頭+絵」で説明すると、三日後の記憶は65%も残る。
つまり「絵があるかないか」だけで、記憶に6.5倍の差がでたと。
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たとえば、小学校の教科書の「モチモチの木」「スイミー」とかを思い出してみると、話の内容よりも作中の「絵」が思い浮かんでくる人が、圧倒的に多そうな気がする。絵本の「グリとグラ」とかなんでもいい。
「視覚でわかる」というのは、先天的にもっているスキルだけど、「文字や口頭の情報で伝える」というのは、後天的に身につけるスキル。
後者は、一度情報を「記号化」してから伝達する手段なので、情報伝達の熱伝導率のようなものが、明らかに低いのだろうなと思った。
そう考えると、秀逸な「文字/口頭の表現」というのは、(ある意味で)他人の脳内をハックして、その情景をいかにリアルに脳内に再現させるか、いかにビジュアルに変換させるか、ということに近いのかもしれない。