たったひとつの「プッシュ通知」の改善で、300万人がつかうSNSアプリの、KPIが倍増した話(論理的に正しいことが、ユーザーにとってベストとは限らない)
少しまえですが、NYタイムズに「Wishborn」というアプリの、おもしろい運営エピソードがのっていたので、簡単にメモしておきたい。
論理的に正しいことが、ユーザーにとってベストとは限らない。
「Wishborn」というアプリ(「写真投票SNS」という感じ)では、MAU 300万人いて、若いユーザーたちにつかわれている。
この「Wishborn」をつくっている、おじさん開発者たちは、こう考えていた。「あまりにたくさん、プッシュ通知がくると、ユーザーはイライラする」
これは論理的に正しいのだけど、実はユーザーはそうは思っていなくて。「プッシュ通知をバラバラに、すべて通知してほしい」と考えていた。
スマホネイティブたちにとって、「いいねがつきました」という通知は、周りからの「承認」をあらわすもので、何度でも味わいたいものだったのだ。
どうしても「いいね」がほしい今の子どもたち。
それに気づいてから、思い切って「すべてプッシュ通知をおくる」という方針に変更。すると、たった1週間で「投票数」など、主要なKPIが倍増した。
言われてみれば、納得するのだけど、こういうことに気づくのは、簡単ではないように思った。
このアプリ開発者たちも、「おじさんが10代の気持ちを考えるは無茶だよな」と反省したそう。
とくにいまの子どもたちは「ソーシャルで"いいね"が欲しい」という感覚が強くて、自分たちとの感覚に、想像以上の乖離があったと。
ちなみに、アメリカの大学生におしえてもらったのだが、最近は「インスタの投稿に、LIKEをお互いにつけあう」専用アプリなんかも出てきている。
そのアプリをつかう大学生は、「LIKEがつくと良い気持ちになる。どうしてもLIKEを増やしたい」と話していました。
参考:
・インスタの「LIKE」を増やすアプリをつかう理由
・App Makers Reach Out to the Teenager on Mobile
・Wishborn