リアル店舗を出したら「EC売上が2倍に」BitStarが語る、リアル店が「ファンの熱量」を高める装置になり、EC売上1,000万円が初日で跳ね返ってきた話
番外編として、クリエイター事務所などの「BitStar」さんを取材しました。
※ 株式会社BitStar 代表取締役 渡邉拓さん
BitStarの「最近の業績」について教えてください。
渡邉:
もともとは、インフルエンサーと企業をマッチングする「広告の事業」からはじめたのですが、現在では新規事業も成長しています。
プロダクション事業やメディア事業など、新規事業の月商だと2億円くらいまで伸びてきていますね。売上比率は広告事業が一番大きいです。
最近に「うまくいった施策」はありますか?
渡邉:
BitStarの所属クリエイターのグッズを販売する、リアル店舗を渋谷に出店したところ、元々あった「ECの売上」が2倍くらいに伸びたんですよ。
つまり、店舗を出したら「ECの売上」が急増したんです。もちろんリアルの店舗も盛況でしたが、オンラインの売上としても跳ね返ってきた。
ECの売上は「初日で1,000万円」を超えていて。想定では「初日に300〜400万円」だったので、ものすごい反響でしたね。
※ 渋谷に「2B CONTINUED」というポップアップショップをオープンした。BitStarに所属している人のグッズなどが買える。
どうして「ECの売上」が伸びたんでしょうか...?
渡邉:
なぜかというと、リアル店舗が「聖地化」したからだと思います。リアルの店舗が「ファンの熱量」を高める装置として機能したんですね。
ファンの人たちは来店記念として、そこを聖地としてSNSに写真をあげる。クリエイターへの「お祝いの気持ち」もあるから熱量も高くなる。
インフルエンサーも自分のグッズの店なので、YouTubeやSNSで熱心に告知してくれます。インフルエンサーの友達を呼んでくれる人もいました。
その熱量がSNSを通じて、リアル店舗に来れない人にも伝わって、ECの売上につながったのかなと。つまり、リアル店舗の隠れた価値って「熱量を生む起点になること」だったんです。
最近は「もうオンライン完結でいいね」という話も増えていますが、店舗の価値が再認識されるケースも増えそうだと感じました。
BitStar 初期の成功事例 ①「住所を貸したら登録増」
渡邉:
2015年頃、インフルエンサーがファンレターを受け取りたいということで、自宅は公開できないから、住所を貸してほしいニーズがあって。
そこで、事務所の住所を無料で貸してあげたら、200件くらい一気に荷物が届いてオペレーションがパンクしてしまいました。
ただ、おもしろいことに「住所を貸したこと」が起点になって、実は裏ではインフルエンサーの登録が増えはじめました。
なぜかというと、住所を貸すということは、動画の中で「送り先はBitStar」とみんな紹介してくれるからです。
そこから、事務所の認知度が上がって、インフルエンサーの登録が増えて、意図せずグロースハックのように機能していました。
※ 住所のニーズは強かったので、現在は「Prebo」としてサービス化した。宅配会社のAPIと連携することで、住所非公開&匿名配送でインフルエンサーがファンレターなど受け取れるサービス。
BitStar 初期の成功事例 ②「概要欄への記載で売上増」
渡邉:
これも2015年頃に、BitStar経由でのタイアップには「BitStarでマッチングした案件です」のように、概要欄に記載してもらうようにしたんです。
すると、動画の概要欄をみた企業からのタイアップの問い合わせが増えて、インフルエンサーからの登録も増えました。
企業さんからお仕事をいただきつつ、BitStarの宣伝効果につながったので、これも良い仕組みだったと思います。
最近の「YouTubeのトレンド」があれば教えてください。
渡邉:
最近はYouTube ショートに「短い動画」をあげて、再生数や登録数を伸ばしているクリエイターも、増えていると感じますね。
ぽるぽるふぁみりーでは、600万再生を超えるものがあったり、きゅっぽんちゃんねるでは、100万再生を超えるものがあったり。
YouTube ショートは収益が入らないので「登録者の獲得」が目的です。最近はクオリティの高い動画と、ショート動画で二極化しています。
※ YouTube ショートは、YouTubeホームに専用枠が出てくるため、そこからTikTokのような感覚で動画が再生されやすい。
YouTubeで伸びはじめるキッカケがあれば知りたいです。
渡邉:
コンテンツをピボットすること。投稿する「コンテンツの軸」を変えた途端に伸びるクリエイターって結構いるんですよ。
例えば、きゅっぽんチャンネル(チャンネル登録 20万人)は、カップルチャンネルになってから、一気に伸びはじめました。
ゲーム実況でも「特定のゲーム」で伸びなくても、フォートナイトをはじめたら伸びたケースもあります。タイトルの選定は重要ですね。
とくに「トレンド初期」に乗れると伸びやすいです。飽和後にはじめても、ゲームが上手い人が既にたくさんいるからです。
取材協力
株式会社BitStar:https://corp.bitstar.tokyo/
BitStar 渡邉 拓さん(@TakuWatanabe)
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