「ぐちゃぐちゃ考えるな、おたまじゃくしの時の平泳ぎのイメージなんか意味ない」ユーグレナ出雲社長のベンチャー創業ストーリーが熱い。
日経産業新聞4/2にのっていた、ユーグレナの出雲社長のインタビューが、熱かったのでメモ。ミドリムシで東証一部に上場した会社ですね。
銀行を1年でやめた。
起業前、平日は銀行員で働き、土日はミドリムシの研究をしていた。大学時代の恩師のもと、ミドリムシ培養実験を続けていたら、あるときこう言われた。
アマチュアの中では一番だ。でも研究者が月曜から日曜までかけていて、それでもできない。土日だけで成功なんてありえない
それで、ミドリムシ培養に専念するため、銀行員を1年でやめたとのこと。
出来ないことをやるから「ベンチャー」だ。
「そもそもミドリムシの培養ができてないのに起業したのはなぜか?」という質問に対する答えがかっこいい。たしかに、その通りだとおもう。
ミドリムシの培養ができる→だから起業するという順番は、ベンチャーではない。できるかわからない、不安だけれど会社をつくる。だから必死にやり、その結果できるようになるのがベンチャーではないか。
最初はぜんぜん売れなかった。
ミドリムシの培養さえ成功すれば売れる、と考えていたが実はそれは間違っていたと。ここで心が折れていたら、いまのユーグレナはなかったと考えると感慨深い。
「培養ができたら売れる」と思っていたが、まったく売れない。伊藤忠商事で扱ってもらえるまで約2年間、500社に営業に行って全部断られた。
バングラデイシュで買ったTシャツを家に飾っていた。
もともと、出雲さんが起業したのは、学生時代にバングラディシュの貧困・栄養事情にふれたのがきっかけになっているという。その想いを忘れないように、クローゼットにそのとき買ったTシャツをかざっていたという。
何度もやめたくなった。ただ、家に帰ってクローゼットを開けると、学生時代にバングラディシュで買ったTシャツが目に入るようにしていた。バングラディシュの子どもたちが、栄養失調で困っていた情景を思い出すため。
仕事をする上で気をつけていること、若い人に伝えたいこと。
仕事をする上で気をつけていること、若い人に伝えたいことも、すごく勉強になる。「考えるよりやってみろ」「自分が正しいことをやれ」ということ。
若い人に伝えたいのは、余計なことをぐちゃぐちゃ考えるなということ。おたまじゃくしの時の平泳ぎのイメージなんか意味ない。カエルになってみれば、考えることは山ほどある。まずは飛び込んでみること。
もうかってるとか、他の人がやっている、あるいはやめたからといって横並びではダメだ。正しいと思うことをやっていれば共感してくれる人が現れる。
ミドリムシってもともと「ゲテモノ」の類だったとおもうんだけど、ここ数年でかなりイメージが変わった気がする。この辺のブランディングの話とかも聞いてみたい。
ユーグレナの創業の話がまとめられた本もでている。前にも読んだことがあるが、また読み返してみたくなった。
もちろんこの人は、優秀な方なんだろうけど、実行力と自分が信じたことを続けることのほうが大事なんだろうなと思わされる。
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僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦