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テレビ番組制作にコンテンツづくりのヒントが隠されている、「TVディレクターの演出術」の読書メモ。

テレビ東京のディレクター、高橋弘樹さんが書いた「TVディレクターの演出術」という本を読んだのでメモ。「テレビチャンピオン」をはじめとしたタレント力に頼らない番組をどのようにつくっているのかなどを実体験をベースに解説している。


「新規の精神」が大切

さまぁ〜ずさんがいれば、勝手におもしろいことを言ってくれるが、手作り番組の場合ディレクターが「おもしろいもの」を探してこないといけない。リサーチをするときにもっとも重要なのは「新規の精神」

「あ、これどっかでみたことあるな」「この店、別の番組でみた」そう思われた瞬間にチャンネルを変えられてしまう。常に新しさを追求する姿勢で臨まなくてはいけない。

ブログやYoutubeとかでも一緒。「ここでしか見られない」という情報をだしていくのがそのメディアなりクリエイターの価値やブランドになると思う。

「足をつかうこと」が大切

効果的なのは「足をつかうこと」。ネットにある情報はどうしても見たことのある情報になってしまう。テレビチャンピオンで「つめ放題王選手権」があった。スーパーの電話してもネットを検索しても「つめ放題の達人」が見つからなかった。

仕方なく千葉のスーパーで張り込みをした。すると「悪魔の姉妹」と呼ばれている詰め放題好きの姉妹を出会い、番組に出てもらう。結局彼女たちは第一回「つめ放題王選手権」で優勝した。テレビ番組をつくるおもしろさと価値は「新しい、おもしろい何か」を自分の手で発掘すること。

その辺にいる一見なんともない素人や何でもないものが、切り口によってはすごいおもしろいコンテンツになるケースというのは多そう。地方とかにいくとおもしろい風景などがたくさんあるけど、地元の人は当たり前と思っている。

テレビ番組は「編集」が大切

番組制作のほとんどは編集作業で「ディレクターの徹夜の原因」の9割は編集作業である。「世界ナゼそこに?日本人」という番組は約100時間のテープから1時間番組をつくった。

編集で重要なのはふたつである。
1)わかりやすい 2)飽きさせない

時間軸を取っ払う

編集のテクニックのひとつの「時間軸を取っ払う」というものがある。「あの人の話はおもしろい」と言われる人は無意識のうちの編集する能力がある人。その逆は話をただ時系列に喋る人。


時間軸を取っ払うメリットは3つ
1、強いものを先に出して興味をひける
2、因果関係をわかりやすく説明できる
3、結論を先に書いて、その謎をとくミステリーのような構成にできる
Before(時系列通りに話す)
「昨日、新橋の焼き肉やにいったんだ」
「銀座のドンキホーテの近くにあるAという店だよ」
「実はそこ焼き肉が1000円で食べ放題なんだ」
「1000円だけどカルビがすごいおいしいんだよ」
「しかも寿司やカレーも食べ放題なんだ、今度行かない?」
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After(時系列を編集)
「焼き肉が1000円で食べ放題の店があるの知ってる?」
「昨日その店にいったけど、カルビがすごいうまい」
「しかも寿司やカレーも食べ放題だった」
「銀座のドンキホーテの近くのAって店、こんどいかない?」

取材とかをして録音データを文字で起こしてみると、いかに普段めちゃくちゃでいい加減な日本語をつかっているということに気づく。編集作業は時間がかかるしめんどうではあるが質を上げるためには必須。「ネットメディアの質が低い」と言われるのは、意外に編集に原因があるんじゃないかとも思う。

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