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700万人がつかうWeb招待状サービスの「Weddingday」が語る、招待ループが連鎖してユーザーが急増した話、完全無料化で「売上が2倍」になったモデル転換の事例

700万人が利用する、Web招待状サービス「Weddingday」を取材しました。

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※ 株式会社canonica 代表取締役 共同創業者 千田 弘和さん(左) 安田 直矢さん(右)、デザイナー 河上 洋子さん(中央)

「Weddingday」について教えてください。

千田:
結婚式のWeb招待状サービスです。年間3万組のカップルに使われていて、ゲスト利用者は計700万人(出席/欠席と答えた人)を超えています

ゲストの出欠の管理や、ご祝儀をオンラインで集められる機能もあります。現在は完全無料でサービスを提供しています。

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どのようにサービスが広がっていったのか?

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サービスを運営していて「ここは転換点だった」と思うところがあれば教えてください。

安田:
はじめの数年間は、順調にユーザー数が伸びていったのですが、2019年頃になってきて、だんだん伸び悩みがはじまりました。

まだ「WEB招待状」を送る文化が広まっていないから、一定数以上になると伸びなかったのだと思います。

そこで、はじめは「無料+有料モデル」だったのですが、思い切ってサービスを完全無料化することにしました。

すると収益がなくなるので、二次会の撮影や引き出物サービスと提携して、アフィリエイト的に収益を得られるようにもしました。

この決断は良い方向に転んで、結果的に売上が2倍に伸びました。

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ほかに「転換点になった出来事」があれば教えてください。

安田:
2020年に入ると、緊急事態宣言などで「結婚式」が減ってしまったことで、新規のユーザー数が9割減になってしまいました。

どうしようと思ったものの、婚礼施設から「Web招待状を使わせてほしい」という問い合わせが増えていることにも気づきました。

なぜかというと、結婚式が延期になると「紙の招待状」だと再送のコストがかかるためです。結婚式の招待状は一通600〜700円かかります。

また、結婚式の受付で列ができると「密」になる。それを回避するために、オンラインでご祝儀を集めたい人も増えていました。

つまり、「Webのほうが良い」という声が大きくなって、婚礼施設さんから僕らに声がかかるようになったんですね。

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なるほど。そこからどうしたのでしょうか。

安田:
そこで、2020年の夏に、婚礼施設に向けてWeddingdayの「法人プラン」をスタートしたのですが、これがとても上手くいきました。

このプランによって、婚礼施設からのユーザー数は毎月200%の成長率になっていて、施設向けの売上も全体の7割くらいになっています。

施設向けの機能を有料提供して、施設さんはWeb招待状をお客さんに売る。僕らはつかわれた分だけ収益がはいる。OEMのようなモデルです。

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どうしてこれまで施設側は「Web招待状」を導入しなかったのでしょうか?

安田:
婚礼施設さんの売上にはならないからです。プランナーさんが「招待状は紙にしましょう」と言うと、そこで話が終わってしまっていた。

なので、施設向けにちゃんと機能を提供して、施設の売上につながるようなプランをつくることが重要でした。

機能としては、ロゴを施設のロゴにカスタマイズできたり。プランナーさんがゲストの情報をWebで管理できるようにしています。

千田:
結婚式が減っているため、ユーザー数の減少はカバーしきれていないですが、このプランで収益面はコロナ前まで回復しましたね。

みんなの感覚もガラッと変わりました。結婚式の招待状は「紙で送る習慣」が強くて、なかなかWebに切り替わらなかったんです。

しかし、コロナ禍でグイッと意識が変わってきた。ユーザーさんの声もそうですし、式場からお声掛けいただく数も全然違ってきました。

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Weddingdayの「面白いデータ」があれば教えてください。

安田:
オンラインで集めたご祝儀を、いつでも引き出せる機能があるのですが、50%くらいの方が「式の前」にお金を引き出していることです。

結婚式って、式場にはお金を前払いで払って、当日にゲストからご祝儀を集めて式の費用に充当する、という方も多いと思うんですね。

それが、オンラインのご祝儀だと、事前に集められるため「クラウドファンディング」のように機能して、やりくりの負担が減らせるのかなと。

親に何百万円というお金を借りたり、ブライダルローンを組む必要がなくなるという意味では、役に立っている機能かなと思います。

オンラインご祝儀

Weddingdayで「地域差」のあるデータはありますか?

千田:
オンラインご祝儀と現地当日払いで選べるのですが、オンラインご祝儀の決済率は「東京は50%以上」と高いですね、地方だと1〜2割です

あとは、名古屋は「結婚式を豪華に行う地域」と言われていますが、オンラインご祝儀の金額を見てみると、全国平均より8%高くなっています。

東京だと、例えば「港区」で行われる結婚式のオンラインご祝儀は、東京平均よりは5%ほど高かったりします。

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【告知】canonicaさんでは採用募集中。サービス開発するWEBエンジニアを探しているそうです。ご興味ある方は下記サイトよりどうぞ。

Weddingday:https://weddingday.jp/
canonica 安田さん(@POMYAS

※ 以降は、マニアックな事例を5つほどnote購読者向けにまとめています。絵文字でインスタのリーチ数が10%増加、招待状の作成完了率30%改善、理由づけの文言で決済率1.5倍に、などご興味あればぜひご覧ください

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