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通話時間1日200分。もうひとつの現実とつながるボイチャアプリ「パラレル」ユーザー急増の理由と、「欲しいかどうか」使ってみないとわからないユーザーヒアリングの罠

ボイスチャットアプリ「パラレル」を運営するReactさんにお話を伺いました。ダイジェスト版は漫画でまとめています。

パラレル漫画完成01

パラレル漫画完成02

パラレル漫画完成03

・React 青木さん(@Joaoki)、歳原さん(@react_taiki
・パラレル(App StoreGoogle Play

【Reactさんより告知】React社では採用も強化中(エンジニア、マーケターなど)とのことで、ご興味ある方は採用募集ページよりどうぞ。

【取材申請】取材をご希望の会社さまは、取材申請フォームよりオファーいただければと思います。(スマホアプリ以外でもOKです)

以下、note購読者向けに、インタビューの「テキスト+図解版」の詳細記事を配信しています。

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※React 株式会社 代表取締役 青木 穣さん、歳原 大輝さん

◎ ボイチャアプリ「パラレル」が生まれるまで

もともと2人はどんな経緯で起業したのですか?

青木:
もともと、ぼくと歳原は中高の同級生でして、大学生のときに「なにかやってみようか」と、一緒にアプリをつくっていました。

そこから、一度お互い就職したのですが、3年後に「やっぱり起業しよう」ということで、創業したのがReactという会社です。

学生のころは遊び感覚でしたが、2人でものづくりをするのはたのしくて、自分たちでサービスをつくった経験が、ずっと心に残っていました。

もちろん、会社で働くのもたのしかったですが、やっぱり「おもしろいことがしたい」という気持ちが強くて、起業することにしました。

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パラレルが生まれるまでの経緯を教えてください。

青木:
パラレルをつくる前に、位置情報アプリと、グルメアプリをつくったのですが、その2つは伸ばしきれずに、サービス終了となりました。

2つのアプリが失敗に終わり、あと半年で伸びるプロダクトをつくれないとさすがに資金的にもやばいぞ、という状況になってしまいました。

そのとき、トシハラがすごくゲーム好きだったので、ゲーム領域のサービスでなにか可能性はないかと、着想したのがパラレルでした。

2019年4月に出した、パラレルのVer.1はマッチングサービスでした。ゲームを一緒にプレイする人を見つけられる、という内容です。

でも、これは上手くいきませんでした。最初からユーザー数がある程度いないとマッチングはしにくいためです。

あと、日本ではゲーム友達を見つける場としては、ツイッターがあるから、そもそもあまり必要とされていませんでした。

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そこからはどうなったのでしょう?

青木:
ただ一方で、パラレルの「通話機能」の評価はよくて。レビューにもゲーム音質がすごくいい、FPSの足音も聞こえる、という声が多かったんです。

それを見て、ボイスチャットの音質問題にフォーカスした、パラレルのVer.2のアプリを出したところ、ユーザーが急増しはじめました。

3年間くらい、ずっと新規サービスをつくってきましたが、このときに初めて「伸びるってこういうことなんだ」と実感しました。

PMF(プロダクトマーケットフィット)って、「なればわかるよ」とよく言われていますけど、これは本当にそうなんだなと。

パラレルアクティブユーザー推移

※パラレルのアクティブユーザー(DAU)の成長グラフ。

◎ パラレルが解決した「スマホゲームの音質問題」

通話において「ゲーム音質がいい」と評価されたのは、具体的にはどういうことなんですか?

歳原:
一般的な通話アプリをつかうと、同時に起動するとゲーム音が聞こえづらくなるんですね。

あとは、ゲーム音ってステレオなので、FPSなら「右から銃声が聞こえる」「左から足音がする」という情報が、すごく重要なのですけど、

一般的な通話アプリだと、それがなくなって両方から聞こえてしまって、敵がどこにいるかもわからなくなってしまいます。

そうした問題を、パラレルの通話機能が解決していました。

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でもどうして最初から「パラレルの通話機能」の品質は高くしてあったんでしょうか。

歳原:
実は、最初から「ゲーム通話の品質問題」に気づいてはいたんです。でも、世の中のニーズは薄いのではないか、と判断していました。

なぜかというと、ニーズを検証するために、PUBGや荒野行動ユーザーに、20人くらいインタビューしたところ、「そんなの要らないです」「LINEでいいです」と言われたからです。

だから、想定ユーザーもそう言ってるし、音質のいいボイスチャットアプリにはニーズがないんだなと、僕もそれを諦めてしまいました。

でも、実際にリリースしてみたところ「音質がめっちゃいい」という声は、ものすごく強かったんですよね。

ユーザーは「必要ない」と言っていたけど、実際はつかってみるとわかる、ユーザーの欲しいものでした。

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◎ パラレルの「広がり方や使われ方」について

現在の「パラレルのデータ」はどんな感じですか?

青木:
通話時間でいうと、パラレルの通話時間は月3億分を超えていて、1日の通話時間も1人あたり「平均 200分」となっています。

ユーザー層としては、18歳前後の学生の方が一番多いです。メインゾーンは10代〜23歳くらいで、その層が50〜60%を占めていますね。

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歳原:
いまって、バーチャル上の「会ったこともない友達」と時間を過ごして、親友のように仲良くなることが増えていますよね。

もともと、PCではそれが起きていましたが、スマホゲームが広がって、ライトな層の人たちも、オンラインで時間を過ごすようになった。

普通の女子高生が、オンラインで知らない人とゲームしたり、バーチャル上で恋人をつくったりするのも、当たり前になってきている。

そうした、バーチャルな友達と繋がるのに、パラレルがつかわれています。

パラレルのユーザーはどのように広がっていますか?

青木:
基本的には「ツイッター連携」されることで広まっています。

バーチャルで友達をつくる人は増えていますが、そのバーチャルとの接続点というのは、ツイッターなんですよね。

ツイッターで「ゲームアカウント」をつくる人も多くて、そういう人が連携して友達とつながったり、周りに招待して広がっています。

例えるなら「バーチャル上のLINE」みたいなイメージです。バーチャルやゲームの友達と「パラレル交換しよう」と広がっている。

そういう意味では、リアルアカウントよりもゲームアカウントなどの方が、パラレルにとっての濃いユーザーは、明らかに多いと感じます。

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