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「アプリの中身」まで翻訳したら、海外でも課金ユーザーが増えた。ツールアプリで生活する個人開発者に聞く、アプリの翻訳とマネタイズのコツ。

個人アプリ開発者の梅本さんに話を聞きました。ツールアプリの開発だけで暮らしている個人デベロッパー。

<目次>
・タイマーアプリの「カウントダウン画面」広告マネタイズの工夫。
・翻訳は「アプリの中身」まで対応したら、課金ユーザーが出現。
・AppStoreのキーワード対策で、3倍の効果を感じた2つの言語。
・あえて「個人アプリ感」を押し出すことで得られるメリット。
・2アプリの「ダウンロード&課金収益」の国別比率。

アプリの収益は「広告と課金」のどちらが多いですか?

アプリ全体の収益としては、課金のほうが広告より多くなっています。

ただ、アプリによって比率はバラバラですね。「Taxnote」は課金がメインだったり、「ListTimer」はバナー広告がほとんどだったり。

※確定申告アプリ「Taxnote」、タイマーアプリ「ListTimer

アプリをみて思ったのですが「インタースティシャル広告」はつかわないんですか?

インタースティシャル広告は、何度もチャレンジしたのですが、結論としては「出さないほうがマシなんじゃないか」ということになりました。

具体的には、売上があがらなかったんですね。タイミングを考えて入れたとしても、せいぜい売上の数パーセントにしかつながらなくて。

とくにツールアプリの場合、インタースティシャルってバンバン出せないのもあって。ユーザー体験が下がってしまうのに儲からないなら、やらないほうがいいかなと。

ListTimerでは「タイマー起動中」にも広告がでますけど、ここの広告は見られるのでしょうか。

はい、これはすごく意味があると思いますね。ずっとタイマーを表示しながら勉強している人って、意外にもけっこう多いみたいで。

むしろ、ユーザーからの要望があって、タイマーの「カウントダウン画面」から、勝手に「ロック画面」に移らないようにしたくらいです。

ストアのレビューにも「勝手にロック画面にならないのが便利」と書かれることもありますね。

翻訳(ローカライズ)はいろいろ試されていると思いますが、やっぱり「アプリの中身」まで翻訳しないと効果がうすいですか?

僕の場合はそうでしたね。アプリの中身まで翻訳して、やっと課金してくれる人が出てきたり、質問する人が出てきたりしました。

「ListTimer」というアプリは、韓国のユーザーが多いのですが、そういう状況になったのも、アプリの中身を韓国語に変えてからです。

それまでは、とりあえず「ストアの説明文」だけ翻訳して、アプリの中身は「英語と日本語」に翻訳してたんですけど、あまり効果がありませんでした。

だから、結局は「ユーザーがアプリをつかい続ける」ようにならないと意味がないんだなと。

※翻訳は「Gengo」という翻訳サービスをつかっているそう。

なるほど。

ただ、一度「アプリの中身」を翻訳してしまうと大変なんですよ。後から「やっぱり英語にもどします」というのもやりづらいじゃないですか。

ここに関しては、「WunderList」のインタビュー記事で、「翻訳なんて英語と混ざってても大丈夫ですよ」みたいに言っていたのを見て、「ああ、そんなんでいいんだ」って思ったんですね。

なので、スペイン語とかの翻訳は効果がなかったので、アップデートで新しく翻訳しなきゃいけない箇所がでてきたら、すべて英語のままにしています。

※マイクロソフトのタスク管理アプリ「Wunderlist」では、英語で全世界に公開して、その国のユーザーが現地語に翻訳するシステムになっている。そのため「英語と現地語がごっちゃ」になっている地域もある。日本語以外はこれくらいの「適当さ」でもまったく問題ないのだそう。

参考:http://appmarketinglabo.net/wunderlist/

これから「新規アプリ」を出すとしたら、どういう言語に翻訳しますか?

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